<はい、これ!>

女の子三人の声がかさなる。
手には一本ずつ、瓶をもっている。

早のみを、連続でやれという、事らしい。

丸ごとには、一本手にしていたコーラを素早く離した。
電車の中で痴漢に間違われそうなときに、あわてて、手をはなすかのように、すばやいうごきだった。
三本に一本でもふえたら、途方もないかずになってしまう。
回避できる危機は回避するべきだ。

<三本やれる??>

女子からは、悪気のない純粋な質問がくる。

丸ごとは、即答した。

(やれるっしょ!)

軽い感じでいったつもりで、言葉にだしたつもりでも、かおには、余裕がなかった。

いち早く、それにきづいた、めがね君は、目で会話する。

《丸ごと、おまえやれるのか?》

(わからないけど、いまは、やるしかないだろ。)

《無理すると、ほかのおとこたちのように、悲惨な目にあうぞ。》

(後先なんか、かんがえられない。いま、女子からはできるか、できないかをきかれたから、やるしかないんだよ。)

《わかった。ただ、リバースだけは、するなよ。》

(了解。あとは、たのんだ。)

一切、声に出さない会話は終了した。

丸ごとは、最後の力を振り絞り、いっきに、のみほした。

歓声に包まれる群衆のなかに、めがねくんの、心配するかおが、とくに、印象的だったと、丸ごとは回想している。