この歴史と文学の関連が最近ようやくわかりかけてきた。
仁徳天皇の后、磐之媛命(イハノヒメノミコト)は嫉妬深いことで有名であるが、その嫉妬は我々現代人の個人的な嫉妬とは異質のものだったのではないだろうか。 磐之媛命は葛城襲津彦の娘である。葛城氏という氏族の意識も含まれた嫉妬の感情だろうと思う。その嫉妬心は人間の意識の奥底にあるどろどろと渦巻く物凄い力があるような気がする。萬葉集の歌にはそれが「美」となって秋の風景に描かれ、嫉妬の嫌味が微塵も感じられない。
秋の田の 穂の上に霧らふ 朝霞
いづへの方に 吾が戀やまむ
磐姫皇后(イハノヒメノオホキサキ)
