「レ・ミゼラブル」(2012・英)
1812年、19年の刑期を終えて仮出獄したジャン・バルジャンは、銀食器を盗んだ自分をかばってくれた司教との出会いから、改心を決意。9年後、ヴィゴーの工場主兼市長として、市民の尊敬を集める男に生まれ変わった。が、新任の警察署長ジャベールに正体を見破られたため、逃亡を余儀なくされる。
レ・ミゼラブルwiki
映画を観た、というよりも、ミュージカルを映画にまとめたものを観たといった感覚に近い。長い作品(2時間半超)なため、中盤以降に若干のテンポの悪さを感じたが、それ以外は概ね楽しむことが出来た。
まず意外だったのがキャストがそれぞれ、歌が本当にうまいこと!特にアン・ハサウェイ、ヒュー・ジャックマンには驚いた。しょっぱなのオープニング、囚人の歌も迫力満点。これは特に映画ならではの演出だった。旗を持つシーンも印象的。アンの夢やぶれて(スーザン・ボイルでも改めて有名になりましたね)も良かったなぁ。子を持つ親(特にこの場合、娘)の涙腺は激しく刺激されることでしょう。逆にラッセル・クロウの歌はいまいち。。。低音はともかく、高音は多少無理を感じた。雰囲気、そして立ち回りは流石だっただけに惜しいところ。
ストーリーとしては有名すぎる、銀食器の司祭のシーン。やはり子どもたちにも伝えねばと思いながら観ました。物事の解決は決して、「目には目を」だけではないのだ。
気になった役柄としてまず思い立つのがエポニーヌ役のサマンサ・バークスだ。彼女の表情、仕草、歌にはそれだけで物語があった。これは素晴らしい配役、そして演出だったように思う。
コゼットのアマンダ・サイフリッドも美しかった。彼女はタイムにも出ていたが、歌も素晴らしく、調べてみたらマンマ・ミーア(未見)でも歌声を披露していたのだとか。コゼットとマリウス、そしてエポニーヌで奏でたメロディーは本当に見事だった。
あとはテナルディエ夫妻もいい味付けだった。嫌われ役とは言えその生命力は大いに見習うべき。こういう演出は本当にうまいよね。足のミンチ以外は良かった(笑)。
全体的に大人向きな作品という印象だ。守るものが何かしらある人こそが、この作品を味わうことでその大切さを再認識できる、そう感じました。出演者のすべてが、大切な何かのために闘っている。時には雄々しく、時には汚く。そのさまざまなコントラストはどれも刺激的で、美しい景色と凝った衣装、メイクも含め、見事な調和を見せていたように思う。
問題点と言えば、古典とも言える大河作品なため、観るものに多少構えさせてしまう所か。映画そのものに遊園地的なエンターテイメントを求める場合、この映画は期待には答えられない。また、基本的に歌のみで構成されているため、苦手な方もいるだろう。ただ、そんな人にも最後のエンディングは十分に堪能できることは約束できるように思う。必見だ。
評価は8点。
本田美奈子さんが御存命ならば、彼女のコゼット、もしくはファンティーヌを実際に観てみたかったなぁ。
監督 | トム・フーパー |
---|---|
脚本 | ウィリアム・ニコルソン アラン・ブーブリル クロード・ミシェル・シェーンベルク ハーバート・クレッツマー |
- 主要人物
- ジャン・バルジャン:ヒュー・ジャックマン
- 司教:コルム・ウィルキンソン
- ジャベール:ラッセル・クロウ
- ファンティーヌ:アン・ハサウェイ
- コゼット:アマンダ・サイフリッド(幼少期:イザベル・アレン)
- マリウス・ポンメルシー:エディ・レッドメイン
- テナルディエ一家
- テナルディエ:サシャ・バロン・コーエン
- テナルディエ夫人:ヘレナ・ボナム=カーター
- エポニーヌ:サマンサ・バークス(幼少期:ナタリア・エンジェル・ウォレス)
1812年、19年の刑期を終えて仮出獄したジャン・バルジャンは、銀食器を盗んだ自分をかばってくれた司教との出会いから、改心を決意。9年後、ヴィゴーの工場主兼市長として、市民の尊敬を集める男に生まれ変わった。が、新任の警察署長ジャベールに正体を見破られたため、逃亡を余儀なくされる。
レ・ミゼラブルwiki
映画を観た、というよりも、ミュージカルを映画にまとめたものを観たといった感覚に近い。長い作品(2時間半超)なため、中盤以降に若干のテンポの悪さを感じたが、それ以外は概ね楽しむことが出来た。
まず意外だったのがキャストがそれぞれ、歌が本当にうまいこと!特にアン・ハサウェイ、ヒュー・ジャックマンには驚いた。しょっぱなのオープニング、囚人の歌も迫力満点。これは特に映画ならではの演出だった。旗を持つシーンも印象的。アンの夢やぶれて(スーザン・ボイルでも改めて有名になりましたね)も良かったなぁ。子を持つ親(特にこの場合、娘)の涙腺は激しく刺激されることでしょう。逆にラッセル・クロウの歌はいまいち。。。低音はともかく、高音は多少無理を感じた。雰囲気、そして立ち回りは流石だっただけに惜しいところ。
ストーリーとしては有名すぎる、銀食器の司祭のシーン。やはり子どもたちにも伝えねばと思いながら観ました。物事の解決は決して、「目には目を」だけではないのだ。
気になった役柄としてまず思い立つのがエポニーヌ役のサマンサ・バークスだ。彼女の表情、仕草、歌にはそれだけで物語があった。これは素晴らしい配役、そして演出だったように思う。
コゼットのアマンダ・サイフリッドも美しかった。彼女はタイムにも出ていたが、歌も素晴らしく、調べてみたらマンマ・ミーア(未見)でも歌声を披露していたのだとか。コゼットとマリウス、そしてエポニーヌで奏でたメロディーは本当に見事だった。
あとはテナルディエ夫妻もいい味付けだった。嫌われ役とは言えその生命力は大いに見習うべき。こういう演出は本当にうまいよね。足のミンチ以外は良かった(笑)。
全体的に大人向きな作品という印象だ。守るものが何かしらある人こそが、この作品を味わうことでその大切さを再認識できる、そう感じました。出演者のすべてが、大切な何かのために闘っている。時には雄々しく、時には汚く。そのさまざまなコントラストはどれも刺激的で、美しい景色と凝った衣装、メイクも含め、見事な調和を見せていたように思う。
問題点と言えば、古典とも言える大河作品なため、観るものに多少構えさせてしまう所か。映画そのものに遊園地的なエンターテイメントを求める場合、この映画は期待には答えられない。また、基本的に歌のみで構成されているため、苦手な方もいるだろう。ただ、そんな人にも最後のエンディングは十分に堪能できることは約束できるように思う。必見だ。
評価は8点。
本田美奈子さんが御存命ならば、彼女のコゼット、もしくはファンティーヌを実際に観てみたかったなぁ。