階段


          その先の
          空が見たくて
          この一瞬も
          まだまだ
          ゆけると思う


日常は、ぐるぐる、ぐるぐる回ってゆくものだから─。

変わり映えのしない景色の中を、同じような歩調で、休まず

進んでいくのは、けっこう難しいものです。


でも、てっぺんから空を見たい人は、立ち止まってはだめ。


どの瞬間も、うつむくのではなく、空を仰ぐように。

しっかりと、上を向いていることが大切なのだと思います。


ゆっくりとしか進めなくても。

もしかすると、止まっているように見えたとしても。

上を向いているというのは、あきらめていないということ。


てっぺんから見えるものは、人それぞれだけど。

てっぺんから見えるものは、たぶん世界でいちばん美しくて、

うれしい景色。


「暮らしてゆく」ことは、小さなてっぺんを、ときに一人でのぼ

りきったり、ときに家族や友人とその「うれしさ」を共有したり。

そんなことの、繰り返しなのでしょう。


たとえば、きれいな夕陽が見たいから、とりあえず今日という

階段を上ってゆく。


毎日は、そんな感じでいいのかもしれません。



写真はFujitaさんから  Perfumed Garden Annex