生地  

        この夢は
        やわらかだから
        手の中で
        どんなふうにも
        なれてしまう



焼き上げる前のクッキー生地はやわらかで、ほんのり甘い香りが

漂って。手の上でころころ丸めていると、わけもなく愉しい気分に

なります。


星型にしたり、動物型にしてみたり、自由自在にかたちあるものに

する作業は子どもはもちろん、大人だってウキウキするものです。


カタチにならない未来、実現していない夢も同じこと。
まだまだ未熟だからこそやわらかで、それはきっと、どんなふうに

もなれるはず。

大切なのは、夢の生地をいつもさわっていること、いろんなカタチ

を試してみることかもしれません。


本当に望むことがわからないとき、思い通りに物事が進まないとき。
それでも、自分の夢と呼べるものがあるのなら。
どんなふうにも変化できるように、 "やわらか"であることが大切。

やわらかな夢は、必ずそれぞれのかたちあるものに辿りつくと思う

のです。


放り出して、固くなってしまった夢だってそう。もういちど取り出して、

手の上であたためれば、ちゃんとやわらかくなります。


あきらめないということは、その思いをさわり続けること、願い続ける

心をいつもやわらかにしておくこと、なのかもしれません。