花noion


         大きさでなく

         その花が

         たしかに

         咲いている

         という現実


人の心の中には、どこか大きな花に憧れる気持ちがあります。

もちろん、大きな花を咲かせよう、と心に夢を持つことは素敵な

ことですが・・・。


誰の目にもとまらない場所で、ひっそりと咲いている小さな花。
山深いところで、溢れるように咲いている、名前もわからない花。


花は大きさではなく、その場所でちゃんと咲いているという、ただ

それだけで十分に尊く、いとおしい存在だと思うのです。


よく、人生で花が咲くとき、咲かないときという表現がありますが、

それは、すこし違うような気がします。


花の咲いていない人生なんて、あるはずはなく。

誰の人生にも、毎日、まいにち、小さな花はちゃんと咲いている。


ただ、私たちは花をさがす心の余裕を失っていたり、その存在に

気づいていないだけなのかもしれません。


歩いてきた道をふりかえってみれば、大きさは違っても、それぞれ

の道にたくさんの花びらが落ちているはず。今、この足元で私の

花が"咲いている"ことを忘れることなく、歩いてゆきたいものです。



写真:NOION より