もう20年も前の話になるが、西新宿の京王モールの外れに「カリヨン」という喫茶店があった(現在は閉店)。当時、仕事場が西新宿だったので、ランチを食べようと彷徨っていた時に偶然入った店だった。(残念ながら写真は無い)それ以来、その店のペペロンチーノに嵌まって、通い続け、行けば自動で「ペペロン大盛り」の注文が入るほど常連となっていた。場所がわかりにくいせいと、ちょっと古めかしくて入りにくいせいもあり、京王モールの中にあって、そこは穴場で昼時を少しズラせば、落ち着いた空間が広がっていた。私の中では喫茶店というイメージだったが、もしかしたらパスタ屋だったかもしれない。とにかくパスタが美味しくて、コーヒーも美味しくて、通っていたわけだが、私の仕事の都合で新宿を離れることになり、久々に訪れた時には、京王モールの再開発?の影響からか、店が無くなっていた。(現在は確かヨドバシカメラになっている)残念過ぎて、それがきっかけで、私は自分でアーリオオーリオエペペロンチーノを作るようになった。週に一度、休日の昼は必ず作る。
パスタも色々と試したが、最近はガロファロのオーガニック1、9mmか、バリラの1、42mmを、その日の気分とソースの種類によって使い分けている。ペペロンチーノにはバリラが合うと思う。
バリラはお気に入りで、近くのスーパーでも手に入るし、テフロン加工のパスタなので、澱粉の流出が少なく、麺も伸び難い。1、42mmという太さはフェデリーニと呼ばれるもので、冷製のパスタにも良く合うし、アーリオオーリオにもベストマッチだと個人的には思う。ブロンズダイスのパスタと違って、澱粉がパスタ湯やフライパンに多く流出しないので、澱粉を使って所謂「乳化」させることには向いてないが、それを承知の上で、エキストラバージンオリーブオイルの美味しさを味わうには都合が良い。ちなみ、そのうち紹介するが、カーチョエペーぺなどのチーズをクリーム状にするパスタには向かない。チーズのパスタなら、断然ガロファロの1、9mmがおすすめである。
オリーブオイルにも拘りがある。散々色々なメーカーのものを試してみて、現在使い続けているのがこの二つ。左側の「メルラ」は火を入れる、つまりアーリオオーリオ用に選定したもので、早摘みではなく「遅摘み」がポイント。通常のエキストラバージンオイルは早摘みなので、香りも良く、フレッシュ感が売りだが、余程良い(高価な)オイルでもなければ、たいして香りも良くないし、火を入れると更にエキストラバージンの意味を失ってしまう。それに対し「メルラ」は遅摘みのため、既に熟れたバターのような風味があり、火入れで劣化しにくく、それでいてピュアオイルのような質ではない。まさにアーリオオーリオのためにあるようなオリーブオイルである。右は仕上げに使うエキストラバージンオリーブオイルで「メルガレホコンポジシオン」これは全然他のオイルと風味が違う。本当にオリーブオイル臭が強くて、苦手な方もいるかもしれない。サラダやカルパッチョにも最高だが、アーリオオーリオエペペロンチーノにかけて食べるのが優勝である笑。勿論、火は入れてほしくない。火を止めてからパスタに回しかけてほしい。
次に、私のアーリオオーリオエペペロンチーノを実際に作りながら解説しよう。冷たいフライパンにメルラをたっぷり入れる。
ニンニクは粗微塵が多いが、スライスでもいいし、潰して大きいまま入れて後で取り出しても構わないが、個人的にはニンニクが大好きなので、粗微塵にする。細かく刻んでしまうと焦げやすいので、これだけはご注意願いたい。
バリラの1、42mmは5分茹でなので、ソース作りと同時に茹で始める。塩分濃度は適当だが、1%以上、塩は仕上げに加えないので、ここで塩味を決める。私は1、5%くらいがちょうど良い。あと、できればパスタは折らずに茹でたい。なので経の大きなフライパンを使っている。
5分はあっという間。ニンニクと赤唐辛子を好みのサイズで入れたら、同時にアンチョビを一片入れると美味い。アンチョビを多く入れる時は、パスタ湯は1%で十分だろう。私はアンチョビは少な目。フォークで押し潰して、オイルに溶かすのが良いと思う。塊が残ると塩味のムラができてしまう。ニンニクが少し色付き始めたら、そこから火を入れたくないので、パスタ湯を入れる。乳化とまではいかないが、ソースが少し濁るくらいで良い。火を止めても、オイルだけではニンニクに火は入り続けるが、パスタ湯を入れた時点で火入れが止まるので安心だ。だいたいその頃に5分のタイマーが鳴る。余談だが、タイマーは無くても良いが、トングなどでパスタを触った時に、手に伝わる感触でわかるようになるには少し経験が必要になる。5分はソースを作っていると案外すぐだ。お腹が空いて、せっかちな人にも5分茹ではおすすめする。茹で上がるちょっと前にパセリを入れる。イタパセが無ければ、ジャパニーズパセリでも十分だ。ちなみに乾燥パセリは残念ながら風味は無いに等しい。
茹で上がったら、さっとフライパンに移し、絡める。パスタ湯で多少の水分を調整する。フライパンを傾けて、ソースが流れて来るくらいがフレッシュ感があって美味い。ワンパンという選択肢は無い。フライパンで煮たりしないほうが私は美味しいと思う。特にブロンズダイスのパスタを使ってそれをやってしまうと、ソースがドロドロで重たい。またソースをボールに作っておいて絡める方法も試したが、美味しいが、やはり温度が下がってしまい、私にはベストではなかった。パスタは熱々で食べたいのだ。最後にメルガレホコンポジシオンを回しかけて完成。私は皿に盛り付けない。理由は、最初に散々述べたが、新宿のカリヨンのパスタがフライパンでの提供だったから。何度も言うがパスタは熱々で食べたいのだ。以上、食いしん坊のペペロンチーノでした。では、また。






