The John James Hardy No.1 | HARDYを楽しむ方法

HARDYを楽しむ方法

HARDYを「人生」と置き換えてみる。

 私の手元に残ったロッドは少ない。

 

 四十歳の時に、それまで勤めていた会社が事実上倒産し、私は仕事を失った。HARDYの名品を少しばかり収集するのが趣味だったが、ロッドやリール、車など、断腸の思いで処分した。この時の気持ちは経験した者にしかわからないだろう。贅沢だった自分自身を恥じ、どん底からの再スタートに、申し訳ないがHARDYやフライフィッシングは不要だった。しかし、あれから十年の月日が流れた。傷んだ心も徐々に癒されてきた。そしてまた、HARDYでフライフィッシングをしてみたいと思えるようになった。フライフィッシングが私の原点だったなと。

 手元に残った釣具は、愛着があって手放せなかったものもあるが、中にはコレクター目線では決定的なマイナスを抱えている場合もあった。様々な偶然と縁があって、いまだに私の側にいてくれる。これから、少しづつ、時間をかけて、何かの縁で私の手元に残った釣具たちを紹介したいと思う。(参考資料として、クラブオブハーディージャパン望月勝仁前会長の「Hardy's collectors'Guide」を参照、引用させていただくことをお許しいただきたい)

 前置きが長くなってしまったが、記念すべき最初の一本は「The John James Hardy No.1」にしたい。これはどうしても手放したくなかった。

私のJJHは「E37574」1936年製。9f6in、ブリッジガイド、トップとバットのガイドにメノウ入り、スパイラルロックファスト、スピア付きというスペック。JJHにはNo1のドライフライ用とNo2のウェット用があるが、どちらも滅多に出回らない。HARDYの創業者の名がついただけあり、特別感があるパラコナである。

JJHNo2に比べて、強いイメージがあったが、私のJJHNo1は案外しなやか。

90歳でも普通に使えます。状態は良いです。何処かでレストアしてると思いますが、目立った故障痕は見当たりません。

JJHのサインは特徴的。カッコいい。

でもね、実は、一点だけ、スピアがオリジナルではありません。スピア無しで売られていたものを私が買って、同じサイズのスピアを合わせました。多分、普通のコレクターの方にはわからないと思います。

 

なぜ、最初の一本に選んだかって? そりゃ、何と言っても、John James Hardy No.1 だからでしょう。パラコナには希少な個体も、高価な個体も、デザイン、機能に優れた個体、それぞれあるけれど、この存在感に優るパラコナは私には考えられません。

 

そのうち、最後に三本だけ残すなら企画やりますけど、JJHを残すかどうかはわかりません。それとこれとは別腹かもしれませんので。ああ、まだ考えたくないなぁ。ふんわりと頭の中でイメージするのがとても楽しいのでね。

 

それでは、また。