プロジェクトで遭遇したトラブル😵‍💫

グループ課題でクラウド実験環境に暗号資産の簡易分析ツールを作りました。 暗号資産 API から板スナップショットを取得して、流動性の計測や板からの特徴抽出を行い、シミュレーション戦略のデータソースとして使うのが目的です。

最初は単純に「スナップ=その瞬間の売買一覧」と考えて、新しいデータが来るたびローカルのキャッシュを丸ごと上書きしていました。

でも実際に動かしてみて気づいたのですが、板の価値は静的な価格リストだけではないんです。 新規注文、注文キャンセル、数量の増減といった動きそのものが分析の大事な材料になります。

スナップをそのまま上書きする実装だと、各価格レベルがどう変化したのか履歴が消えてしまい、短期の流動性評価に大きな誤差が出てしまいました。これが実習で大きくハマったポイントです。

課題から見えてきた要件📝

実習を通して板処理に必要なポイントを 2 つ整理しました。 ✅ローカルのオーダーブックを、取引所の実際の状態に近づけ、計算結果の信頼性を保つこと ✅瞬間のスナップだけでなく、価格レベルの変化を追跡し、後から検証できるようにすること

スナップを取得して上書きするだけではこれらは実現できません。増分更新の仕組みを作る必要があります。

実習で直面したデータの落とし穴⚠️

取引所の板は常に変動し続けています。同じ価格の注文量が変わったり、キャンセルで価格レベル自体が消えたりします。 毎回全上書きすると最新状態だけは見られますが、途中の変化が全部消えてしまいます。

さらに WebSocket を使うと、ローカルテストでは出にくいトラブルが起きます。

  1. メッセージの順番が乱れる:ネットワーク揺れで古いデータが遅れて届くことがあり、古い情報で最新の板を上書きしてしまう
  2. 価格の桁数の違い:取引ペアごとに小数点の桁が違うので、処理しないと同じ価格を別のレベルと誤認識する
  3. 再接続時の状態ズレ:接続が切れて再接続したとき、増分データだけだとローカルの板が実際とズレてしまう

小規模なデモだと発生しにくいですが、課題で本格的に使うと計算結果が狂う原因になります。

解決策:増分更新でローカルオーダーブックを作る💡

大事なのはメモリ上にオーダーブックを保持し、価格をキーにして変化があった分だけ更新すること。丸ごと置き換えは行いません。

・受け取った数量が 0 の場合:キャンセルと判断し、該当の価格レベルを削除 ・数量が 0 以外の場合:該当価格の数量を更新、新しい価格なら追加

これでレベル追加・数量変動・キャンセルをローカルで管理できます。

実験では AllTick APIを使ってリアルタイム板データを受信し、増分更新の動作確認を行いました。

📝メモ:これは学習用の簡単なコードです。期末課題などで使う場合は下記の工夫が必要です。 各データにタイムスタンプをつけて遅延到着データをフィルタ、価格桁数の正規化処理、再接続時には必ず完全な板スナップを再取得してから増分受信を再開しましょう。

保存方法は用途に合わせて選べます。現在の状態を確認したいなら定期的に完全スナップを保存、流動性の変化を追いたいなら変化イベントそのものを保存すると良いです。

実習を終えて感じたこと✍️

暗号資産 API で板を扱うとき、「スナップを取得すること」がゴールではないと痛感しました。 いかにローカルのオーダーブックを実際の市場に同期させ続けるかがポイントです。

板分析は最新価格だけでなく、各価格レベルの注文量が変わるリズムこそが重要。 同期ロジックが安定してこそ、流動性計測や特徴抽出、シミュレーションが信頼できるようになります。

おまけ:みなさんのトラブルも聞かせてください🗨️

課題で暗号資産 API を使って板処理のプログラムを作ったとき、 オーダーブックのズレやデータの不具合などに遭遇したことはありますか? コメント欄で失敗談や解決方法をシェアしていただけると嬉しいです。