マッキントッシュC-20とMC-30 2台がオーバーホールから帰ってきました。

 

C-20 はランプ切れが気になっていたくらいで、音質的には全く問題なく機能していました。

MC-30 は一台が少々雑音あり、もう一台は快調。

 

はて?

それならば、わざわざOHに出さなくとも…

 

そう考える方がほとんどだと思います。

でも、OHに出したい、出さなければならない理由がありました。

 

PRA-2000

AGI Model 511

Sumo Polaris Ⅲ

Sumo Ulysses

 

上記のものは、全て札幌のSさんに面倒を見てもらって、未だに所有し機能しているアンプ達なんです。

そのSさんが引退されると伺い…

 

これからこの子達は誰に面倒を見てもらえばいいのか?

驚きと、予期と、疑問と、失望と、諦念と、悲しみと・・・一遍に色々な感情が湧き出てきて、「え~っ、そうなんですか~⁉」という月並みな言葉しか出てきませんでした。

 

引退される前に、Sさんに診てもらいたい。

その一心で、球アンプ3台を預けた次第です。

 

 

僕のオーディオの旅は終着駅にたどり着きました。

音質的には、C-20、MC-30の組み合わせが最高。

自分にとってこれ以上、求める音はありません。

ただ、機械が年代物である以上、OHというものは避けて通れません。

 

Sさんはトリオから始まり、サンスイ、マーク・レヴィンソン、マッキントッシュなど50年以上にわたる修理の経験と知識を有しています。

その知識と技術は継承されることなく、世の中から失われてしまう・・・

 

何と寂しいことでしょう。

そして、僕のオーディオは今後誰に面倒を見てもらえばいいのか?

 

オーディオの衰退。

人口減少社会。

そして、技術や知識の、この世界からの消失。

 

使い捨てよりも、良いモノを長く使う方が地球環境にとってエコで有益なことであるはずなのですが、それを許さない現状…

なんともやるせなく、寂しく、悲しいものですね。