Swing Team

Astrid Cowan

 

Astron Records

Astron 98-001

 

評価

★★★ 3/4


僕もこんな表情で楽器を弾きたかった…

 

 

貧乏な家庭に生まれたので、食べて

いくだけで精一杯、楽器を習うなどと

いうことは一顧だにされませんでした。

 

もっとも、外で遊ぶことが昔から大好きな

僕が、おとなしくピアノ・レッスンに通って

いたのかどうかはかなり怪しい部分も

あります…。

 

子供が大きくなった時に恨まれないよう、

娘達にはピアノを習わせました。

譜面が読めたり、楽器が弾けるのは

やっぱり羨ましい。

 

腕一本で食べていくことの大変さは

想像を絶することでしょうが、僕にとって

ミュージシャンは尊敬し、憧れる存在です。

 

僕もこんな表情を浮かべて

楽器を演奏したかった…と思うのです。

     ↓

 

Astrid さんは初めて聴くピアニストで、

予備知識は全く無し、ジャケ買いです。

 

ユニオンさんからゲットしたのですが、

中古に沢山商品が並んでいました。

 

ん?

あまり内容が良くないのか?

 

ちょっと不安になったのですが、

聴いてみると中々に雰囲気が良く、

どうしてあんなに沢山手放されて

いるんだろう?と思うほどでした。

 

 

♪ 収録曲

① Thursday Night At Pasquales

② I've Got The World On A String

③ Salida Del Sol

④ Billie's Bounce

⑤ A Child Is Born

⑥ Silver's Sox

⑦ I Love You

⑧ How Deep Is The Ocean

 

僕の勝手な想像なのですが・・・

冒頭の一曲目は彼女のオリジナル。

これがちょっとソフト路線というか、

イージーリスニングっぽく聴こえなくもない。

これが熱血なジャズ・ファンにそっぽを

向かれた原因なのではないか・・・?

 

でも、2曲目以降をじっくり聴いていくと、

とても均整のとれた、落ち着いた大人の

ジャズが展開されていることがお分かり

になると思います。

 

熱くブローするだけがジャズではない。

優しく見守り、温かく寄り添うジャズが

あってもいい。

そんなことを女性の視点で、静かに

優しく語りかけているかのようです。

 

 

♪ メンバー

Astrid Cowan (ピアノ)

Jerry Rusch (トランペット、Fgh)

Ron Berman (ギター)

Richard Simon (ベース)

Chris Wabich (ドラムス)

 

1998年7/28、10/13 in LA

 

 

リーダー始め、メンバーの誰一人として

名前を知りませんが、演奏能力は高く、

抜群の安定感があります。

誰か傑出したメンバーがいるわけでは

ありませんが、破綻のない充実した演奏。

 

「スウィング・チーム」というアルバム・

タイトル名の通り、メッシやロナウドが

いなくても、チーム力で素晴らしい結果を

残す日本代表のような統率力。

 

静かだけど芯のある音楽。

チームにより生まれる総合的な力。

読書の邪魔にもならず、じっくり

聴いても味わい深い。

 

BNだけがジャズではない!

そんな方にお勧めな一枚です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ですが・・・

NZのアーダーン首相が辞任の意向との

一報に、大変残念な思いです。

女性ならではの視線で、政治の世界を

浄化してくれるのではないかと期待

していたからです。

 

美人だから応援していたわけではなく

(僕はメルケル元首相も好きで、尊敬

しています。政治屋しかいないこの

わびしい日本において、メルケル元

首相は本物の政治家だと思うのです)、

オッサンの

オッサンによる

老人のための政治

を変えてくれるような気がしていた

からです。

残念。

 

金脈だか水脈だか知りませんが、

感受性も許容力もない人間はさておき、

Astrid Cowan さんには女性ならではの

視線で、今後も良質なジャズを産み出し

続けて欲しいと願っています。