朝ドラを観ていて

 

「 暗闇でしか、見えぬものがある

 

 ・・・ 暗闇でしか、聴こえぬ歌がある 」

 

の台詞にドキリとしました。

制作スタッフ、ジャズのことよく分かってるな~

勝手な思い込みかもしれませんが、僕は

そのように受け取りました。

 

 

僕の記憶違いでなければ、

「ジャズは夜の音楽だから…」

と語ったのはスタン・ゲッツだったと思います。

彼も相当に病んでいた人だけれど、

彼の創り出す音楽は健全で美しく、

内面の苦悩を映し出す鏡ではなかった。

 

でも、バド・パウエルの音楽は演奏者自身の

内奥を深くえぐり出し、聴く側も自己の内面を

省察せざるを得なくなる音楽。

彼もまた色々な意味で「病んでいた」人だけど

ハイ(躁)な時の常人ではないプレイの中にも

翳りを感じるし、鬱な時に創られたのでは

ないかと想像される楽曲群には紛れもない

「生の苦悩」が刻まれているように感じます。

音楽は明るい表通りにだけあるのではない、

ということをバドの音楽は教えてくれます。

 

暗闇の中でしか書けない曲もあるだろうし、

暗闇の中でしか僕たちに届かない歌がある。

 

バドの名曲 Blue Pearl は昼でも聴けるけど、

Time Waits はやはり、夜に一人で聴きたい。

 

暗闇でしか聴こえぬ歌がある

 

 

 

 

(お断りしておきますが、これは爆音ではなく

通常程度の音で聴きます。音圧・風圧よりも

奏者との対話が大切な曲なので…)