





















本「死と呪いの島で、僕らは」 著者 雪富 千晶紀
★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
小さな島で疎まれている美しい少女。
彼女は死者を通し予言を聞く力を持っていた。
その少女に片思いをしているのは、島の実力者の息子。
一見穏やかに見える島にある日沈没船が流れ着く。
そして死んだ男が蘇り殺人を犯す。
不穏な空気が押し寄せるこの島で何が起こっているのか…。
なんかホラー要素てんこ盛りの小説だった!
死者に成り代わるナニカ、死者の群れ、食人を行う富豪たち、前半は展開がゆっくりしているけど後半怒涛の展開。
中心にいるのは美しい少女。
彼女は赤ちゃんの時に島に流れ着いた。
そこで巫女である女の養女となり育てられる。
町長をはじめ、島のみんなからは疎まれ、誰からも無視される存在だった。
町長の息子は同級生のその少女に恋をしている。
話をしてはいけないと言われているけれど、どうしても気になってしまう。
少女の境遇はあまりにひどくて可哀そうだけど、死者の声を聴くことができるとかやっぱり怖がられても仕方ないのかもしれない。
わりに最初からホラーテイスト。
島の漁師が行方不明になる。
島民総出で探すが見つからない。
そんな時死体が見つかる。
どうやらその漁師らしいと妻が号泣しているところに、ひょっこりその男がかえってくる。
死体はどうやら他人だったとみんな胸をなでおろすが。
この辺りめっちゃ面白かったわ。
めっちゃホラーやし。
ただね、すごいことが起こっているのにも関わらず、みんなの反応が鈍くてちょっと拍子抜け…。
いや、もっともっと驚けよ。
あり得んことが起こってるんやから。
なんか、こう、受け入れ方が早いねん。
もともと閉鎖的で宗教色の強い島なんかもしれんけどさ。
首が取れた男が走って逃げるんやで??
いやもうおかしいやろ。
もっと死ぬほど驚いてもおかしくないのに。
と、ちょっと反応に物足りなさを感じたわ。
後半、死者が襲ってくるけどそのあたりも受け入れ早すぎ。。
討伐隊が死者を倒して回るんだけど、躊躇ないんかと。
あるやろ。
見た目人間なんやからさ。
普通に殴り倒してとどめさすとか、もっと葛藤あってもええやん。
まぁそこに焦点を当ててないんやけどさ。
少女が疎まれた理由、島に災厄が起こる理由等々きちんと理由付けしようとしている点は好き。
そこも100%納得できる感じではないけど、一応筋を通す感じが好感度大。
詰め込みすぎた感もあるにはあるけど、これくらいがんがん入れ込むのも私的には好き。
わりに最初の方にがーんと事件が起こるのも好き。
一応ミスリードをさせるようになってるんだけど、これはね、まぁわかっちゃうよね。
怖くはないし、あまりにもあり得ない設定かもしれんけどそれでも面白かった。
これくらいはっちゃけて色んなもの入れてくれたほうが楽しいわ。
じわじわじわ怖がらせるとかはちょっと短気な私にはいらっとくるから。
そもそもホラーなんて、え~ありえんし!と言い出したらそれで終了やからね。
後半出てくる老僧とかさ。
まぁ都合よすぎるし意味わからんけど、それでも私は面白かったです!
一つ言うとしたならば、この島…人が住むのは適してないのでは??
住むのやめた方がええで。
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