




















本「スイート・マイホーム」 著者 神津 凛子
★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
極寒の長野に住む賢二。
可愛い幼い娘と妻と三人で住むために新居を購入する。
セントラルヒーティングの整った暖かい家。
二人目の娘も生まれ家を買った幸せに酔いしれる賢二。
ここで家族みんなでずっと幸せに暮らすはずだった…。
長野県ってめちゃ寒いんやねぇ。。
長野に住む家族。
新しい家に引っ越したのはいいけれど、ナニカがいる…。
どうやら主人公の賢二はイケメンらしい。モデルのような。
んで、軽い気持ちで浮気してるダメ男。
彼は閉所恐怖症で、実の兄は統合失調症を患い実家で母と二人ひっそりと暮らしている。
賢二は実家にはめったに戻らない。
兄の世話を母一人に押し付けた罪悪感からだ。
最初はあまり不穏な雰囲気はない。
けど、主人公の閉所恐怖症とか、彼の実家とか、お兄さんの病気とか、なんとなく抱えたものの闇の深さがうかがいしれる。
そして新居に引っ越し、その快適さに満足しているとじわじわおかしな出来事が起こっていく。
実はもう最初の方で私には何が起こっているのかお見通しでした(どや顔で)。
あ~これはこれやろ…と。
まぁ予想は当たってたんだけど、色々その予想やら想像を超えてくる展開。
大体の予想が当たってても、ほほ~なるほど~と思わされる。
主人公賢二も浮気男やけど悪い人じゃない。
ちゃんと奥さんや子供への愛はある。
いや、浮気はあかんけども。
彼の閉所恐怖症や、お兄さんの病気やらの原因がラスト近く判明する。
この辺りもなかなか納得いく展開。
そして怪異の正体。。。。
こちらはおそらくわりにみんな早くに想像つくとは思うんだけど、その理由等にもちゃんと納得いく原因が説明されてる。
それも悲惨な理由が。
そこまで行くのに色々ミスリードがあったりしてきちんとミステリーとしても良い感じ。
この作者さん、これがデビュー作らしいね。
すごいな。
よくここまでスピード感ある小説書けるなぁ。
まぁそりゃ細かい点で色々突っ込みたいことはあるけども。
ちょっと警察無能やな…とか、そないうまい事いくのか…とか、賢二も母も結局あれは隠ぺいかよ、とかね。
でもそういう点はあら捜しみたいなもので、大まかな展開にはそこは突っ込んだらあかんとこ!とわかってます。
ラスト近くの死闘の様子もまるで映画観てる感じでしっかり映像として見えてきてこれは文章力のすごさなんやろなと。
ホラーミステリー、嫌ミス、のカテゴリーに入るんだろうな。
読んでてスリルあるし、あれ?これはどういうこと?ん??とか、なかなか考えさせられる。
それが面白かったな。
大体読めてても、その理由だったり行動だったりがすごくて読み応えがある。
何も考えずにとりあえず読んで欲しいわ。
そして嫌ミス、その名前にふさわしいラストが待ってます。
いや、これ必要?
いらんやろ…やめて…と思ったわ。。
最後のページまで気が抜けない小説でした。
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