「ブルシャーク」 著者 雪富 千晶紀

 

★★★★☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

 

富士山の見える湖でトライアスロンが開催される。
村おこしの一環でもあり、盛大に行われる催しだった。
市役所のトライアスロン担当の矢代は長い準備期間を終え、あとは開催を待つばかりとなりほっとしていた。
そんな時、湖にいた助教授だという女性が「この湖には巨大なサメがいる」と告げる。
信じられない矢代だったが、湖に向かった親友やキャンプに来ていたカップルが行方不明となり、不安に駆られる。
本当にここにサメがいるのか?トライアスロン開催目前、矢代は苦悩する。

 

 

え、めちゃくちゃ面白かったんですけど!!!

こんな日本の湖が舞台のサメ小説読めるなんて!
 

富士山麓にあり、駿河湾から30Kmも離れた山中の湖。
ここでは街を挙げてのトライアスロン大会が開催されようとしていた。

主人公は役所に勤める矢代という男性。
トライアスロンの開催責任者。
苦労し、やっと開催までこぎつけたのだが、そんな時親友が湖の水質検査に向かったまま行方不明になってしまう。
しかし、大人の行方不明は警察は本気では探してくれない
そして湖にキャンプに来ていたカップルも行方不明に。
 

そんな時矢代は、湖で怪しい風体の女性渋川まりと知り合う。
彼女はアメリカで傭兵もしていたという。
今は九州の大学で海洋生物学の准教授をしているという。
彼女は友人の水生昆虫学者から、この湖にいるサメを保護して欲しいと頼まれたのだ。
彼はここでサメと出会ったという。
海から離れた淡水の湖にサメなんてとても信じられない矢代。
しかし彼女と一緒に調査するうち可能性があることに気がつく。

 

淡水でも生きられるサメがいるのは知ってた。
けど、海からさかのぼってくるのはちょっと無茶があるような。
一応その点も長々と説明というか、まりと矢代はちゃんと調査して歩くんだけどね。

 

トライアスロンは、自転車、水泳、マラソンをすべてこなす恐ろしいレース。
こんな過酷なものになんでチャレンジするのか信じられへんわ。
矢代は苦労して開催までこぎつけたトライアスロン大会が、いるかどうかわからないサメのせいで中止にすることに躊躇する。

そりゃそうだよね。。

 

ブルシャーク2
 

まりは証拠を集めようとするんだけど、なかなか見つからない。
彼女自身すら、少しサメがいるのかどうか疑念を持つくらい。
まぁまりは、サメがいると告げてきた友人を心から信じているから、サメがいると信じてはいるんだけどね。

そして、湖のほとりにある寄生植物が見つかったあたりからどんどん話が進んでいく。
何人か学者が出てきてそれぞれの専門分野について語るんだけど、わかりやすかったな。
ほんとにあり得るのかどうか判断できないけど、ありそうな感じで。

ここはネタバレしてもいいかと思うけど、サメはいます。
じゃなかったらサメ小説ちゃうやん。。。

 

ブルシャーク


そのサメに襲われ逃げ惑うシーンとか、あとトライアスロンを止めようとする矢代とか、サメを退治しようとするまりの行動とか、人助けしようとする神のような人とか…めちゃくちゃはらはらどきどき、一気読みしてしまった。
現実にどうか…というより、それぞれの人間模様や、サメが湖に来た経緯とか、巨大化した理由とか、もう色々面白かった。
サメ映画って結構観たけど、まぁだいたい同じやん?
けど、それを小説で読むとこんな面白いものなのか、と。

登場人物の葛藤とか、心に秘めていることとか、そういうのもきちんと描かれていて浅い動物パニックものに終始していなかったのも高評価。
もちろんサメに襲われるシーンも臨場感あってすごかった。
映画を観てる気分になった。

 

まぁサメなんでグロイシーンもあるので、そういうの苦手な方は気をつけてね。
映画よりかは視覚に訴えないので大丈夫な気もする。
これ映画化したらきっとチープな感じになっちゃうんだろうな。
なので、小説で正解。
面白いサメ小説読みたい方(いるのかな?)におすすめ!!!

 

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