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「感染捜査」 著者 吉川 英梨

 

★★★★★ (個人評価 ★多めならおすすめ)

 

2020年6月東京。東京オリンピックを目前に首都は浮き立っていた。
そんな時お台場のレストランで殺人事件が発生。
現場は凄惨そのもの。
生存者によると突然家族同士で喰い殺しあったという。
同じころ、豪華客船の中でも同じような事件が…。

これはほんとに面白かった。

 

 

 

 

今まで読んだゾンビ小説の中でも上位!!!

主人公は女性刑事。
上司に歯向かう熱血刑事だ。
彼女は自分を攻撃してきた犯人を射殺するという過去を持つ。
トラウマにより射撃ができなくなっている。
 

時節は東京オリンピック前。
そして恐ろしい事件が起こる。
人が人を喰い襲いあうという凄惨な事件だった。
そこでの生存者の少女は、正義のヒーローが来てみんなを撃ち殺してくれたという。
女性刑事はその撃ち殺した奴が犯人だと追い始める。
同じころ、豪華客船内でも死んだはずの人間が人を襲うという事件が発生する。

 

東京オリンピック開催前の新型ウイルス発生。
まるでコロナのような。
それもあって余計に興味深く読めた。

主人公の女性刑事。
突っ走る癖があり、上司の命令をあまり聞かない。
ドラマじゃそれでうまくいくんだけど、この小説じゃあまりうまくはいかない。

港で不審船に乗り込み薬物を探すが不発。
首謀者とみられる人物を追うがこれも逃げられてしまう。
上司からはこれ以上の捜査はやめろと指示されるが独自捜査を始める。

 

まぁいらいらしますわ。
ドラマじゃいいけど、これ現実に正義感だけで動く刑事がいたら迷惑なんだな、とわかったわ。

 

数日前に海上保安官が潜水中に行方不明になる事件が発生。
豪華客船で旅行をしていた元上司は心を痛めていた。
その海上保安官が居なくなった領域を客船が通ったときに、なんと元上司は彼が必死で泳いでいるのを発見!(いやこれはないやろ)
急いで救助に向かうが、腐り果てているように見えるソレに噛まれてしまう。

そりゃ助けるわな。
泳いでる人がいたら。
けどさ、腐ってるねん、見た目。
いやそれでも救助はするか…泳いでるんやもんな。
 

小説の中でずっと悩まされるのが、感染者を人間として、ウイルス感染した患者だとして扱うか否かの判断。
確かにウイルス感染で低体温になり心臓もほぼ動いていない状態。
つまり完全に死んでいるとは言えない状況。
それを危険だからと撃ち殺していいのかどうか。
案の定政府は、頭を撃って殺すのは厳禁と法令を出す。

一応ウイルスについても説明はあり、もとは狂犬病ウイルス。
それが変異を繰り返し、今のウイルスとなった。
深海魚がそれを保有しており、魚同士の感染の過程でどんどん変異していった。
深海魚釣りが趣味のレストランの店主が保有主の魚を釣り上げ、客に提供。
その結果、客同士が喰いあうという事件に発展したという。

 

前出した海上保安官も潜水中に事故に遭い、そのウイルスに感染したとみられる。

 

感染捜査2


なぜ深海魚がそのウイルスを保有しているのか…についてもちゃんと説明がある。
大抵のゾンビ小説って、ウイルスの出どころについてはあいまいだったり、研究所から漏れ出したとかそんなもん。
しっかり説明しようとしてるとこが好感持てた。
まぁ多少強引なこじつけがあったとしても、それなりに納得できる理由だったしね。

 

東京オリンピック前ということもあり、政府は絶対にこのウイルスを蔓延させるわけにはいかなかった。
まぁ普段でも蔓延させるわけにはいかんけども。

陸上では今のところ深海魚を釣ったレストランのみで感染は抑えられた。
突然入ってきて感染者を殺しまくった男のおかげで。
感染者とはなかなかわからず、この男が異常犯人扱いされるんだけどね。

豪華客船の内部だけで感染者が抑えられている現況、その船を感染者隔離場所として使うことになる。
そして、警察官、海上保安官、特殊部隊等で乗り込み警備することになる。
 

感染捜査

 

その総責任者が来栖光という人物で、なかなか魅力的。
なぜかその船に前出の女性刑事も警備を任命され乗り込むことになってしまう。
どうやら責任者、来栖の指示で。

このあたりの理由等もちゃんと明かされるからすっきり。
 

船という閉鎖空間で巻き起こるパンデミック。
もし、船から感染者が海に逃げ出してしまったらたちまち海洋にウイルスが広まることになってしまう。
感染者は痛みを感じず、冬眠状態の身体状態のため非感染者より何倍も長く生きる(といえるかどうかは別として)。

 

もう一気読みしたわ。
面白すぎて。
どきどきはらはらわくわくが止まらない。

ただ主人公の女性刑事にはほんといらいらさせられた。
感染者に対して何もできないのもそうだし、銃で撃つことに反対したりするからね。
確かに感染者はもしかしたら治療できるかもしれない。
そういう可能性が残されているのだから殺してしまうのはダメだという理屈はわかる。
たぶん、実際にこんなウイルスが出てきたら同じ論争が巻き起こるに違いない。

襲ってくる感染者に対しどうするのがいいのか。
専門家は変異スピードが速いため治療法はないという。
対症療法しかない。
けれど狂暴化し、痛みも感じない、手足がもげても追ってくるような感染者に対し逃げるしかないのは無理がある。
これほんと悩ましいと思う。
感染者がもし身内なら、撃ち殺されたらたまらないもん。
病院に入れて治療してほしいと願うのは当たり前のこと。

なんか、ゾンビもので感染者の人権を追求した小説は読んだことなかったから斬新だった。
完全に怪物ものとしてしか扱ってなかった小説ばかり。
生存者を守るのか、感染者の人権を守るのか、こんな選択無理だよね。

その意味では、責任者の来栖の判断は尊敬できる。
今何が一番重要か、の判断の元に感染者を躊躇せず殺す。
冷酷無比に見えるけど、彼にも彼なりの理由があった。
生存者を守る、そしてウイルスを絶対に外に出さない!この信念のもとに行動する。

豪華客船でのパンデミックはどうなるのか、来栖は、女性刑事は?
そしてラスト近くに判明する事実。。。。
ほんと面白いので徹夜覚悟で読んで欲しい。
そしてゾンビは人か否か…を考えるのもまたいいのかもしれん。

 

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