「英雄の書 上」 著者 宮部 みゆき
★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
小学五年生の森崎友理子はある日突然小学校から家に帰るように言われる。
中学生の兄、ひろきが、人を刺して逃げたというのだ。
そしてそのままひろきは行方不明となる。
優等生で人気者だった兄に一体何があったのか…。
加害者家族となった友理子は小学校に行けなくなってしまう。
そんな時、友理子は兄の部屋にあった本から語りかけられる。
兄は「英雄」に憑りつかれてしまったのだと。
一体どういうことなのか。
友理子は兄を救い出すため冒険の旅へと足を踏み入れることになる。
主人公が小学五年生。
でも全然子供っぽくはない感じ。
ただのファンタジーかと思いきや、兄が人を刺すというシビアな事件が起こってしまう。
そして「英雄」に憑りつかれた行方不明の兄を救うべく、本たちの力を借りて友理子は不思議な世界へと足を踏み入れることになる。
世界観は好き。
本がいろいろな知識を持っていて、それに助けられるというのもイイね。
なのになんだかのめり込めず、読むのに時間がかかる。
友理子は本の力を借りて”無名の地”と呼ばれるところへ向かう。
そこで封印されていた「英雄」が逃げ出し、悪さをしているらしい。
たまたま英雄に眼をつけられた兄はそこから異変が起こったようだ。
まず、無名の地というのがなかなか頭に入ってこない。
物語を紡ぐ…というのはわかるし、輪というのもなんとなくわかるんだけど。。
咎人たちが永遠に輪を回し続けるということに、友理子は罰という認識を持って、可哀相すぎると感じる。
私も同じように感じてしまった。
彼らが全員同じ姿をし、同じ考え方をするのだというところでつまづく。
なんていうか、ファンタジーというのはどこまでその世界観に共感し、理解し、なんとなく自分の思っていた感じと似ている…というのでのめり込める気がする。
でも、この小説の場合、言ってる事が深すぎるのか、なんとなくの理解ができない。
????と読んでる間中、うーん、どういう事?みたいに眉をしかめながら読む感じ。
これではのめり込めないわな。
中学生でどうやら人気者だった兄が起こした事件、これも後半で理由が判明するんだけど、どうなのかなぁ。
上巻を読んだだけではまだまだ理解できない。
英雄と呼ばれるものは表裏一体で光と影でできている。
光が強くなればなるほど影も強く濃くなっていく。
それは切り離すことができない。
英雄として崇められ尊敬された英雄は、その裏に大きな影を持っているということ。
その影の部分が人間に憑りつくと、憑りつかれた人間は暴力的になり人に害をなしてしまう。
この辺りもね、わかるようなわからないような。
すんごく壮大な物語なんだよね、これ。
人の世としての輪(サークル)があり、物語がぐるぐるその中で生まれ語り継がれ回っていると。
こういう説明を本がするんだけど、なんとなくでも理解できた感じがしない。
主人公が小学五年生だからもう少し単純にしてほしいわ。
いや、説明はわかりやすくなってるんだろうけど、私が理解できん。
てっきり子供が読める小説かと思いきやこれは無理ちゃうかな。
それとも子供の方が柔らかい頭で理解しやすいのかなぁ。
とっかかりがそれなので、小説にのめり込みずらかった。
ファンタジーであっても、ある程度自分の中にある知識で理解できる範疇にないと、ただただよくわからんな…と思いながら読むことになってしまう。
ただ下巻はもしかしたらもう少しわかりやすいかもしれない。
案外主人公が小学五年生の女の子ということで余計にのめり込めないのかもしれんね。
勇敢だけど、怖がる部分もあったり、でもすごく大人な考え方をしたり。
あんまり小学生に思えないところもあかんのかな。
この世界にのめり込めるといいなと思いつつ、下巻を読みたいと思いますわ。
英雄に憑りつかれ事件を起こした兄、兄を救うために違う世界に行き、英雄の影の部分と戦う少女。
児童小説でもないような気がするし、大人向け…って感じでもない中途半端さが違和感を呼んでるような気もする。
ラストはハッピーエンドであることを信じて読み進めてみますわ。
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