「カゲロウデイズ」 著者 じん(自然の敵P)
★★★☆☆(個人評価 ★多めならおすすめ)
2年家に引きこもり自宅警備員になっている如月シンタロー18歳。
PCがなかったら文字通り死んでしまうような日々を送っていた。
ところが彼のPCには変わったウイルスが住みついていた。
まるで意思を持った人間のように会話するそいつに振り回されるシンタローだったが、ある日マウスとキーボードが壊れるという羽目になる。
しかしお盆の時期でネットで購入することができない。
決死の覚悟で2年ぶりに外に出ることを決意するシンタロー。
ところがこの外出が彼の運命を変えることに…。
人気ボーカロイド曲から派生した小説。
著者のじんという人がボーカロイド曲も作り、この小説も書いたみたい。
多才な人やねぇ。
小説の冒頭に出てくる引きこもりニートの青年はおそらく著者のじんさんを投影してるんだろうな。
曲を作り動画サイトに投稿する日々らしいから。
2年ぶりに外に出たシンタローがキーボードとマウスを買いに百貨店の家電売り場に行く。
ところがそこにテロリストが現れ客を人質にし10億円を要求し始める。
というまぁ破天荒な展開がしょっぱなから起こるわけです。
でも決してこの事件が小説の肝ってわけでもなく、そこに居合わせた人たちが重要だったというね。
居合わせたと言ってもその姿は他人からは見えないんですが…。
意味がわからない?
説明しずらいんですが、特殊能力を持った人たちがたまたま居合わせたってことですわ。
彼らは4人いるんですが、その中にシンタローの妹も含まれています。
ずっと引きこもりだった兄がデパートにいることに驚くんだけども、そのあと、運悪くテロリストに兄が捕まってしまうと。
どうやって助けるか…みたいな展開になります。
最初はシンタロー目線で話が進み、途中から今度はシンタローの妹、桃目線になります。
そしてデパートでシンクロします。
「目」が共通項にある特殊能力の持ち主たちが出てくるんだけど、例えばシンタローの妹は、他人の視線をめちゃくちゃ惹きつける能力があります。
その能力を活かしアイドルとしてデビューしてます。
当然ものすごい人気になりそのことでファンに追いかけられたり大変な目に遭い、その途中で他の能力者と知り合います。
その能力者は、キド(女性)…他人の視線から自分の気配を消せる能力、マリー(女性)…他人の目を見て行動を固めてしまえる能力、カノ(男性)…他人の目を欺く能力、と言った人たち。
そこに桃の他人の視線を集めてしまう能力が加わったわけです。
今まで読んできた小説の超能力者とは一味違った能力でここは面白い。
能力の使い方によってはなんでもできる感じだし。
1巻ではシンタロー自身は最初の人質のあたりくらいに出てきて、そのあと、能力者の彼らと合流する。
これから彼らの謎とか、能力とか、シンタローのPCに入り込んだエネの正体等が明かされるんかな。
まだまだとっかかりって感じで1巻だけでは今一つすべてがわからないままになる。
ボーカロイドから出た小説だけど、しっかり設定とかキャラとかまで作りこめるのはすごいなぁ。
以前読んだ脳漿炸裂ガールは、曲作った人と小説書いた人は別だったけど、今回は同じ人。
曲つくりと小説書くのは違うと思うけど、自分の中でストーリーを練り上げて曲を作ってるんだろうなぁ。
いくつかの曲が連鎖して書かれているらしく、それらを交差し繋いで小説になってるみたいね。
やはり原作ボカロを聴いていないと今一つ面白みが半減するのかもしれない。
ライトノベルなんで中高生向き小説ですが、今後の展開が気になるので続き読みます。
娘はこの小説は気に入っていて、読め読めとうるさいです。
酸いも甘いもかみ分けた大人に面白いかどうか…好みが違うしね。
でもせっかく買ったし読まないと損な気もするし、なんせ活字中毒なものでなんでも読む雑食なんでね。
娘に買った本はすべて読むつもり。
ほら、気分は中高生だから!!!
…まぁそこそこ興味深い能力なんで続きが楽しみです。
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