音無美紀子のオンライン歌声喫茶
3.12「音無美紀子のオンライン歌声喫茶」を開催しました。
約10年の活動をまとめた動画「花は咲く」を上映しました。
これまで訪問した被災地公演約６０箇所、
どの場面もすべて昨日のことのように覚えています。
またともに歌える日が来ることを願っています。
動画はこちらからご覧いただけます。
音無美紀子の歌声喫茶公式YouTubeチャンネル
歌：沢田知可子
ピアノ：小野澤篤
コーラス：音無美紀子の歌声喫茶メンバー
「歌の力を頼りに」
2011年12月、私たちは歌声喫茶を結成しました。
あの震災で傷ついた方々を
どうにか少しでも慰めることができないだろうか、
そんな思いに駆られ集まったのです。
東京・恵比寿で公演を重ね、
たくさんの支援者の思いも受け取り、
初めて被災地を訪問することができたのは、2012年6月。
よく晴れた空の下、
石巻復興マルシェという商店街で「青空コンサート」。
あの震災からわずか1年ほどで、受け入れてもらえるだろうか、
まだ早いのではないかと不安の方が大きかったことを
思い出します。
しかし、驚くほどたくさんの人が歌いに来てくださったのです。 「こんなにたくさんの人が集まったのは初めてですよ」
と皆さん始まる前から笑顔で待ち望んでいてくださいました。
そしてアコーディオンが高らかに鳴り響くと
「青い山脈」の大合唱。
懐かしの昭和歌謡や童謡唱歌を歌いながら、
一人ひとりのお顔が、
まるで10代の頃のようにどんどん若返っていきます。
「この歌流行った頃、俺は高校生だったな」
「歌詞なんか見なくても自然に歌えるね」
など隣に座っている人とお喋りも盛り上がります。
私たちは反対に大粒の涙が止りませんでした。
こうしてひとときでも明るい気持ちになっていただくことができて
本当によかった。
それでも、やはり
「あれ以来、歌どころか大きな声なんて出してないよ」
という方もいらっしゃいました。
そのような時は一緒に音楽に乗せて
ほんの少し体を揺らしてみましょうと
手を握ったり、体を摩ったりさせていただいているうちに
ポツリポツリとご自分のお気持ちや思い出など
お話ししてくださいます。
一緒に泣いて、一緒に歌って、一緒に笑う、
心を寄せることしかできないのかもしれません。
それでも声を重ねることと歌の力を信じて続けてきた10年でした。
アコーディオン奏者の園田容子が言いました。
「初めて行った被災地公演は、やはり皆さんの歌声は小さく、
盛り上げようと必死にアコーディオンを弾いて
全身が筋肉痛でした。
でも、年々、歌声が大きく元気になって、
今では声にアコーディオンがかき消されてしまうほどなんです。
こういう時、復興とか生きる力とかを感じますね」
私たちの活動は、
なるべく誰も慰問に行かないようなところにこそ伺いたいと、
山奥や工事現場のすぐ横の仮設住宅、
また自分たちでテントを張って野外公演を行ったりしています。
まだまだ必要としていただける限り、
変わらぬ応援をさせていただきたいと思います。
2012年3月 音無美紀子の歌声喫茶メンバー一同より
【メンバー】 音無美紀子（女優）
奥村伸樹（音楽家）
小林綾子（女優）
榮 萌果（ピアニスト）
清水よし子（タレント）
園田容子（アコーディオン奏者）
高田安男（ミュージカル俳優）
太川陽介（歌手）
中西勝之（ミュージカル俳優）
橋本志穂（タレント）
原元美紀（フリーアナウンサー）
藤吉久美子（女優）
村井麻友美（女優）