母の命日。17年経っても今も思うこと。 | 原元美紀 オフィシャルブログ 「原元美紀のミキペディア」 Powered by Ameba

母の命日。17年経っても今も思うこと。

本日7月23日は母のお墓参り。
  
17年前の2003年に事故で亡くなりました。
  
とても珍しい事故で、
自転車対自転車の衝突による死亡事故でした。
 
夜、勢いよく暗がりから飛び出して来た無灯火の自転車が
母の自転車にぶつかり、
母は宙に投げ出され、脳挫傷で1週間後に亡くなりました。

57歳でした。
 
美人だった母の変わり果てた姿、見守ることしかできない無力感。
 

自分だけが昼なのか夜なのかもわからない世界を

彷徨っている感覚で、
病院から呼び出しの電話が鳴ったらすぐに出なければと
携帯電話を強く握り締めていた感触だけが現実との接点。
 
事故相手の保険会社からは

「自転車同士の死亡事故は前例が無い」とされ交渉は難航、

警察や検察による事情聴取はされたものの

当時被害者通知制度がなかったため、

知らない間に裁判も終わっていました。
  
あまりに辛くて、うちの家族は母は事故ではなく、

もともと人工透析を長くやっていたので、

病気で亡くなったんだと思い込むようになりました。

肉親の死に他人が関わることが受け入れられなかったのです。
 
だからいまだに誰も、自転車事故の話はしないし、

「あれから何年経った」と即答できないのです。

そうやって17年間自分たちを守ってきました。
 
今もこうして語るのは、

息が詰まって全身の血が下がり、力が抜けます。
 
あの日の朝、私は母とけんかをしたまま。

仲直りもできないまま永遠の別れとなったことが

今でも私を苦しめます。
 
だから、誰かと会うときは、

「もう会えないかもしれない」という気持ちで

精一杯接するようになりました。
 
いつもと同じ明日は来ないかもしれない。
いまを大切に。