2月4日「世界対がんデー」 | 原元美紀 オフィシャルブログ 「原元美紀のミキペディア」 Powered by Ameba

2月4日「世界対がんデー」

2月4日「世界対がんデー」、

がんとの共生社会の実現を目指す取り組みの

「ネクストリボン2020」の司会を務めさせていただきました。

 

 

「ネクストリボン」公式サイト

 

現在日本では、2人に1人ががんになり、

年間死亡者の死因の3割をがんが占めています。

 

しかし、「がん=死」であったのは昔のこと。

いまやがんは医療の発展で「治りつつある病」になり、

治療やその後の検査を受けながら「付き合っていく病」に。
 

そして、働き方改革、働き手不足、ダイバーシティ・・・、

ここ数年で日本社会の労働環境も大きく転換期を迎えています。

 

でも、がんに罹患した瞬間

今でも「びっくり離職」「びっくり退職」してしまう方が

患者さんの3分の1にも上っています。

 

「いつ誰ががんになってもおかしくない時代なんだよ!」

「がんだと分かって辞めたり辞めさせたりしてたら、

社会が成り立たないじゃないか!」

 

という声はどんどん大きくなっています。

 

そこで、がんになっても働くことのできる社会の実現を求めて、

ネクストリボンプロジェクトでは

企業の事例や課題、取り組みなどを紹介したり

議論の場を設けたりたりしています。

 

 

4回目となるシンポジウムでは、

第1部は「企業の働き方改革で共生社会実現へ」というテーマで、

企業経営者、上司、部下が本音で意見交換をしたり、がん経験者やその家族による講演などが行われました。

 

第2部は「がんとともに生きる、寄り添う」をテーマに、

がん患者の家族という立場で寄り添った経験をお持ちの介護職アドバイザークリコさんや

イメージングソング優秀作品賞の演奏など、

様々角度からがんについて語り合う時間でした。

 

 

 今回トークテーマとして何度も出てきたのが、

「大丈夫?」という声掛けです。

 

がんを告白した人に「大丈夫?」と声を掛けると、

相手は「はい、大丈夫です」としか返しようがありません。

 

私にも経験があります。

 

大腸がんに罹った時、

仕事を失うことが怖くて『大丈夫なフリ』を演じてしまいました。

その結果、何が起きたかというと、

みんな変わりなく(遠慮なく)タバコをスパスパ。

 

本当はタバコの副流煙はがんにはとても良くないけど、

10年前の当時はまだ社会にそのような知識や関心がなく、

「やめて欲しい」と言い出せませんでした。

 

 

今回、白血病を患ったタレントの友寄蓮さんから、

「高2で血液のがんになったけど、

『大丈夫?』と聞かれると辛い。

励みになったのは【未来の約束】。

まだこの先も生きられるって思える。

 

それから、【どうして欲しい?】と聞いてくれたこと」

 

という経験者の言葉に、一同ヒントをもらった思いでした。

 

1日がかりのイベントの締めくくりは、演出家の宮本亞門さん。

 

 

テレビの収録で前立腺がんを発見、ステージ2だったとか。

 

がんの宣告や治療、退院した翌日からすぐに仕事…。

 

大変な経験を乗り越えられたのは、

21歳で亡くしたお母様の言葉のおかげだと語っていらっしゃいました。

 

「病気がちな母でしたが、大人しくしていなくて、

『私は死ぬまで生きたい!感じたいんだ!』と言ってたんです。

 

で、僕もどんなに辛いこと、苦しいことがあっても、

【よーし、全部見てやろう】と思って。

絶対目を閉じないと決めたんです。

 

だから、がんの治療で

ずいぶん落ち込んだり怖くなったりしましたが

それもこれもぜ〜んぶ見てやろう。

何かに生かしてやろうと」

 

がん体験を明るく力強く語る宮本さんに、

会場の方たちも勇気付けられ大きな拍手が起こりました。

 

1人でも多くの方が安心して働ける社会が

少しでも早く作れますように、

そんな願いが込められた一日でした。