がんとともに生きられる社会はすぐそこ?「ネクストリボン2018」 | 原元美紀 オフィシャルブログ 「原元美紀のミキペディア」 Powered by Ameba

がんとともに生きられる社会はすぐそこ?「ネクストリボン2018」

この日、どれだけ笑い声をあげ、

どれだけ涙を流したことでしょう。

 

2月4日、「世界対がんデー」に、

がんとの共生社会を目指す「ネクストリボン2018」イベントの

司会を努めさせていただき、

がん経験者やがん患者を雇用する企業の皆様と

「がん治療と仕事の両立」について、

ともに考える1日を過ごさせていただきました。

 

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「先進国の中でもがん死亡が増え続けているのは日本だけ」

「がんと診断された人の4割が治療前に退職」

「がんと診断され1年以内に自殺をする人は24倍」

 

このような状況の中、

2006年にがん対策基本法が成立し、

国がようやく「国民病」と呼ばれるがん対して

本格的に取り組むことになりました。

 

私もちょうどその頃からピンクリボン活動のイベントなどで

がん知識の啓発活動に携わらせていただいてたものの、

直後自分自身がまさかの大腸がんに罹患。

 

現在日本では「2人に1人ががんに罹る」と言われるほど

身近な病気だということを実感しました。

 

そして、医学の進歩とともに

いまや「がん=死」ではなくなりつつあることも

知りました。

 

私を恐れさせたのは、がんではなく、

多くのがん患者と同じように、

自分ががんに罹患したことで「仕事を失うのではないか」

という不安でした。

 

私だって、自分ががんになって初めて

「自分のがん(大腸がん)」について考えたのです。

職場の人たち一人一人が大腸がんに対して

正しい知識や理解があるとはとても思えない。

 

「大腸がんは早期発見・早期治療できたから、

ほとんど今まで通りの生活に戻れます!」

と私が言ったところで

職場の人たちにどう受け止められるのか…

 

結局私は1年間黙っていました。

 

「原元はちょっと体調悪くして入院していたけれど、

退院してから今まで通りバリバリ働ける」ということを

証明してから『事後報告』するという方法を取ったのです。

 

その間、がん再発に悪影響を及ぼすとされる

タバコの副流煙、不規則なスケジュール、寝不足・運動不足、

焼肉とビールなどにひっそりと耐えました。

 

「私、がんだったので、それは出来ないんですよね」

と言った瞬間面倒臭がられるのではないかと怯えたのです。

 

 

しかし、それから10年の間に、社会は少しずつ変わりました。

 

がん患者の3人に1人が

20歳から64歳の働き盛りという時代を迎え、

がん治療と仕事の両立が社会にとって大きな課題となり、

それは患者の「職を失う」悩みだけにあらず

雇用する企業側に取っても人材の損失に関わる

重要なテーマとなってきたのです。

 

こうした背景を踏まえ、この「ネクストリボンプロジェクト」は

朝日新聞社140周年、

そして日本対がん協会60周年の記念事業としてスタートしました。

 

観覧希望者は、なんと3倍の1,800名!

関心の高さが伺えました。

 

1部では、がん経験者の方々が

告知された時の思い、家族や仕事、お金のこと、

そして治療をしながら「自分らしく」生きることについて

語っていただきました。

 

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子宮頸癌を経験された女優の古村比呂さんは、

この日、「去年の11月末に子宮頸がんが再々発しました。

今年1月から抗がん剤治療を始めました。

私は今、がんとともに生きています」

と初めて告白されました。

 

「私は弱い人間だから、一人では抱えられない。

でも、今日このイベントに参加して、

みんなに共有してもらったことで力をもらえた。

あるがままに、がんと歩みます。」

 

と、しっかりと語る古村さんに、

心から応援したいという気持ちで涙が溢れて止まりませんでした。

 

  「テレ朝NEWS」動画配信はこちら

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20180204-00000022-ann-soci

 

同じく子宮頸癌を経験されたタレントの向井亜紀さんは

「番組スタッフの『待ってます』という言葉が

お守りになりました。

必要とされることが復帰の励み。」

 

「そして心と体のバランスが大事ですよ。

特に気の持ちようが大切ですよ」

とアドバイスされました。

 

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俳優の小西博之さんは、

余命ゼロの腎臓がん末期から完治を果たした経験を

お持ちです。

 

「がんだけ『闘病』という言葉を使うの変じゃないか?

闘うのはプレッシャーだ。

がんだけ特別じゃない。『治療』でいいじゃないか。

泣きたい時は泣けば良い。

感情を押し殺すことなく、表現することが大事だ」

 

と、会場ではステージを降り、

客席を周り一人一人のお客様を見ながら

ほとんどマイクを使わず地声で明るく元気に語られました。

 

小西さんの奇跡の生還を目の当たりしに、

勇気づけられた方も多いのではないでしょうか。

 

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小西さんの著書「生きてるだけで150点!」は、

とても励まされる言葉ばかり。

 

「壁を乗り越えることではなく、

壁を乗り越えた一歩先を考えろ!」

 

は未来を切り開くためのマインドを教えられました。

 

また、キャンサーペアレンツ代表理事の西口洋平さんは、

35歳で胆管がんの告知を受け、

「子供を持つがん患者で繋がろう」

と子育て中のがん患者のネットワークを立ち上げ、

これが自分たちの「生きる力」になっていると語りました。

 

赤裸々な文章が話題の文筆家さや香さんは、

29歳で乳がんの告知を受け、治療と仕事との両立や結婚生活、

また「世間の『がん患者像』を押し付けられたことに対する

違和感を率直に語り、

がん患者一人一人が自分の生きたいように生きるべきで、

そうした気持ちを隠さず発信していくことで、

自分らしく生きられる社会を」と呼びかけました。 

 

登壇者の皆さんのプレゼンは、

一生懸命生きている人にしか燃やせない

命の炎を見せられているような

素晴らしいもので、胸を打たれました。

 

 

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1部終了後は

すぐにマスコミ向けの記者会見。

 

 

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2部は雇用する企業側の取り組みを語る

「企業のがん対策最前線!

〜健康経営とダイバーシティ推進のために〜」

のシンポジウムが続きました。

 

終演後、ネクストリボン企画責任者で

尊敬する朝日新聞の女傑・中西知子さんと一枚。

 

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とにかく濃い1日で、

いっぱい泣いて笑って、

二人ともメイクが落ちてしまいました(笑)

 

がんと共に生きるのが当たり前の社会を作るために、

まだまだやることがいっぱいですね。

 

でも、やることがあるのは

自分の居場所があることですから。

 

 

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