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映画「22年目の告白」がつら過ぎて

映画「22年目の告白」を観ました。

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観始めてすぐに、
「止めておけばよかった」
と最後まで映画館の座席に座っていられる自信がなくなってしまいました。

1995年に起きた連続殺人事件から22年後、
「私が犯人です」
と名乗る男が世間に登場し、
手記を発表するという衝撃のストーリーです。

実際に日本を震撼させた残虐事件を思い起こさせる映像に、
現場リポーターをしている私としてはフィクションとは思えず、
被害者遺族がどれほど苦しい思いをしたことだろうと想像し、
辛くなってしまいました。

そう思ったのは私だけではないようで、
映画館はこれまでにないくらい見知らぬ観客同士が
一体感に包まれていました。

殺害の恐ろしい映像、
名乗り出た犯人の憎たらしい振る舞い、
その犯人をカリスマ視する風潮が出てくることに、
「こいつ、許せん。なぜ逮捕できないの?」
と映画館中が怒りで静まり返っていました。

実は、ここでストーリーの鍵になるのが
時効なのです。

以前は殺人事件の時効は15年でしたね。

この時効が撤廃された
「改正・刑事訴訟法」が施行されたのは、
2010年4月27日です。

つまり、2010年4月27日までに
発生から15年が経過する事件は時効となり、
それ以降に犯人が名乗り出たり
逃亡先が判明しても逮捕されません。

いわゆる犯人逃げ得、被害者泣き寝入りです。

『時効なし』が適用されるのは、
2010年4月28日以降の時点で時効を迎えていない事件や
この日以降新たに発生した事件なのです。


映画では、
「法律が無理なら、
報道でこの事件の真相に光を当てる」
とこの騒動にあるニュースキャスターが絡んできて、
思わぬ展開を見せることになります。

この後の展開が良い意味で予想を裏切ったり、
期待通りだったり、
頑張って最後まで観て良かったと思えました。

気軽にたくさんの方には勧められないのですが、
人の命や残された人の思いなど
その苦しみを理解するにはこれ以上はない作品かと思いました。