「この世界の片隅に」私たちは生きている
やっと「この世界の片隅に」を観てきました。
昨年11月12日に公開だったので、
実にちょうど2ヶ月経っているのですが、
平日にも関わらず、なかなかの混み具合。
戦時中の市井の人々の暮らしを描いた作品で、
泣けると評判でしたが、
珍しいことに私は泣きませんでした。
もともと原作漫画を読んでいたので、
広島市から呉に嫁いだ
のんびりマイペースのヒロインすずの運命は知っていたので、
どうアニメ化されたのかを観に行くという感覚でした。
驚いたのは、泣くというより、
むしろクスクス笑ってばかりだったこと!
声優ののん(能年玲奈)さんのおとぼけ具合がヒロイン像そのまんまで、
いろんなドジが微笑ましくて。
アニメ化されたことで人物が生き生きと動き出し、
本当にこの世界の片隅に生きている人のような実感がありました。
そのおかげで、
「戦時中でも人間とはこんなにユーモラスに生きられるのだ」
と感じることができました。
そして、こんなに懸命に生きている人たちの運命を歪めていく戦争に
改めて恐ろしさを感じました。
空襲を受ける恐怖とはこういうものなのかと
疑似体験した思いです。
決して声高に戦争反対を叫ぶ作品でないからこそ、
この作品に登場する人物たちがもし自分だったらと想像させられました。