「音無美紀子の歌声喫茶」東松島公演
11月11日、宮城県東松島市の被災地で
歌声喫茶を開催してまいりました。
東松島は私たちが2012年6月、
初めて被災地公演を開催した土地の一つでもあり、
以来毎年呼んでいただいて、今年で5回目となりました。
一か所目の小野市民センターでは、
いつも来てくださるお馴染みの方もいて、
親戚に会ったかのようです。
みんなで懐かしの昭和歌謡やイントロクイズ、
唱歌に合わせて簡単ゲームなどをして盛り上がりました。
イントロクイズでは女子高校生が
「女の操」などの古い歌を正解して大人たちを驚かせました!
昭和歌謡が大好きだそうで、
歌声喫茶で歌う歌は全部知ってました。
また、2年前に私たちに斎太郎節の振りを教えてくれた方がまた来てくださり、
みんなで踊りました。
すっかり恒例です。
メンバーの清水よし子さんは、
「去年披露した三味線が下手だったから、練習して来ました!」
とリベンジしたのですが、
結果は…、
たくさんのお客様の笑顔を引き出したようです。
熱気溢れる楽しい歌声喫茶になりました。
二ヶ所目は、東松島コミュニティセンター。
夜7時からの開催で、しかも雨が強くなり心配していましたが、
傘を差して次々と集まってくださるお客様に感激。
こちらでは、緊急企画(!)
清水よし子さんのシャンソン「シェルブールの雨傘」に
メンバー一同小芝居を加えて即興劇!?
皆さんに笑っていただけてなによりでした。
そして、「今日は月命日なんだ」と言って、
「ふるさと」のリクエストが掛かりました。
楽しく笑顔が溢れる会場でしたが、
やはりたくさんの人のいろんな想いが込み上げます。
私たちメンバーにとっても、
東松島市は毎年通わせていただき、
顔なじみのお客様も増え、
いわば「第二のふるさと」のように思えます。
あれから5年半が経ちましたが、
当初1753世帯の仮設住宅も、
現在は20%ほど、350世帯ほどになったそうです。
こちらは最近できた復興住宅の街並み。
さらに来年には最後の公営住宅に
170世帯が移ることが決まっています。
一方で、残った180世帯の方も
新たな生活を考えなければならない時期が迫っています。
高齢者の方が多く、老後の心配を抱えながら、
なけなしのお金をマイホームの再建に使ってしまうことは
簡単には決められません。
月日が経っても、まだこのような問題が解決できず、
皆さんの胸の内を思うと言葉も見つかりません。
この歌声喫茶を立ち上げた2011年の冬、
きっと3年で復興するだろうからと、活動は3年間の予定でした。
3年と言わず、
本当はもっと早く復興が進んで欲しいと思っていました。
しかし、復興住宅の建設は遅れ、
被災地を離れたり震災関連死される方の数も増えていく中、
あっという間に5年になりました。
まだ私たちが出来ることがあるということに
複雑な思いはありますが、
必要としてくださる方達がいる限り、
通わせていただきたいです。
そして、1日も早く、
なんの心配もいらない心からの笑顔で一緒に歌える日が来ることを願います。
いつも開催にご尽力いただく東松島社会福祉協議会の皆さま、
今回も真心いっぱいのおもてなしを本当にありがとうございました。
〈参加メンバー〉
音無美紀子、奥村伸樹、清水よし子、橋本志穂、原元美紀、村井國夫
〈伴奏〉
園田容子
〈事務局〉
栗原知里、村井健太郎