映画「溺れるナイフ」、菅田将暉君さすがでした。
この秋魅力的な邦画がたくさんある中で、散々迷って、
やはりお気に入りの菅田将暉君を観ようと
「溺れるナイフ」を選びました。
ジョージ朝倉さんの原作漫画が大好きで、
10代のヒリヒリする危ういあの世界観を実写でどう表現するのか、
かなりドキドキしました。
のどかな田舎町で王様のように傲慢に振る舞う少年コウ役を演じる菅田将暉君は、
繊細でダイナミックで、狂気や悲しみ、醒めた流し目が原作通り!
ゾクッとしました。観てよかった。
ヒロイン夏芽役は小松菜奈ちゃん。
クール美少女なイメージなので、
原作とはまた少し違ったヒロイン像ですが、
骨太な存在感が田舎の自然に負けてなくて、
画面映えしてました。
雑誌の人気モデルという役柄だけど、
チャラいイマドキのメイクの子じゃなくて正解だなと
映像見て納得。
意外な拾い物は、脇役陣!
コウの親友でありヒロイン夏芽と付き合うことになる大友役の重岡大毅くんは、
すっごく自然でヒロインを一生懸命笑わせようとする姿が健康的で、
可愛かった。
「もー、こっちの男にしたら幸せになれるぞ」
と全女子に思わせてくれる明るさが、まさに原作のまんま!
時々セリフを噛んでたけれど、あれは演技なのかな?
でも、逆に自然だったので、良かった。
コウと夏芽に妙に絡んでくるカナちゃん役の上白石萌音ちゃんも、好演!
心配してるふりして近づきながら
「なぜか謎の上から目線」というイラっとする女子役を
すんごいリアルに演じていて怖かった。
ただ、原作ファンとしては、
やはり、17巻分の物語を2時間にまとめたことで、
物足りなさは残りました。
コウがどうしてあんなに傷つきやすいのか、
コウと夏芽の純愛を引き裂く事件が落とした影、
「あいつの呪い」って?、
などが省略されてしまっていたので、
奥行きが無くなっちゃってたのが残念でした。
原作知らないと理解できないのではないかなぁ。
あとは、コウの見せ場の一つ、
「火付け祭り」の踊りのシーンは、
菅田将暉君の気迫と色気が全開で素晴らしかったのですが、
アップばかりだったので、もう少しロングで全身を見たかったなぁ。
そうそう、原作の不道徳なシーンはどうなるかな〜と心配だったけど、
いろいろちゃんと有りましたよ。
これから観る人は、先に原作読むべし。