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「神々の山頂」に魂がギュッとなりました

映画「エヴェレスト 神々の山頂」を観ました。

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実は、10年前、私が職場を去るときに
ある方からプレゼントされたのが、
この夢枕獏さん原作「神々の山頂」でした。

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この作品は、
「そこに山があるからだ」
のセリフで有名なイギリスの登山家マロリーが
1924年に人類初のエヴェレスト登頂に成功したかどうかの
謎を残して遭難したという実話に、
日本人登山家(モデルあり)の
魂を削るような挑戦を絡めた長編小説です。

それまでの私は、山登り、
それも命がけで雪山に挑戦するなんて気がしれないと思っていたのですが、
そこには人間の尊厳、(山に限らず)歩み続けるということ、
人生哲学が詰まっていて、
ストイックな登山家の生き様に魅せられました。

自分もそのヒリヒリした感じを味わってみたいと思うようになりましたが、
私は飛行機や新幹線のぞみのドアが閉まった瞬間に
身体がむくみ出すほどの気圧の変化に敏感な体質なので、
残念ながら山登りは向いてなさそうです。

景色だけでも見てみたいなと思っていたところ、
谷口ジローさんにより漫画化され、
その絵の緻密さは、まさに山に登っているような肌感覚に襲われます!

もうぎゅっと息が詰まるほどで、読み終えたら、
私まで山の頂きを踏んで魂が浄化されたかのような気分になりました。


そして、満を持して映画版公開です。

冒頭の雪が吹き荒れるエヴェレスト山頂の映像から、
映画館は暖房が切れたかのように底冷えしてきました。

阿部寛さんや岡田准一さんらが冬山に登る場面は圧巻です。
特に阿部寛さんはすっかり山屋というか、獣のようでした。

また、キーマンとなる人物を演じる風間俊介さんの表情に、
その後の悲劇が納得出来た思いです。


小説、漫画、映画、それぞれラストは少し違っています。

私は漫画版の「おまけ」のついたラストが大好きです。
ページをめくり、「あ!」と叫んでしまいました。

昨年、夢枕獏さんにお会いする機会が会ったのですが、
ご本人を前に感想を言えませんでした。

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なので、ここに書きます。

「魂が引き締まる作品でした」