「音無美紀子の歌声喫茶」東松島公演
「音無美紀子の歌声喫茶」、
今年を締めくくる被災地公演は、
宮城県東松島市でした。
震災当初、東松島市には1753戸の仮設住宅が建てられましたが、
復興が遅れていて、半数近い800世帯もの方達が
まだ2年も仮設暮らしを余儀なくされる予定だとのことです。
震災から4年半も経つのになんというスローペースでしょう。
復興住宅入居が待ちきれず、
借金を重ねて自力再建を選ぶ方や諦めて土地を離れる方なども出てきて、
段々仮設住宅の空き家が歯抜け状態となり
コミュニティが崩壊の危機という新たな悩みが
皆さんの暮らしに重くのしかかっているそうです。
そのような状況で、私たちの歌声喫茶活動が
少しでもお役に立てることを願いながら、
11月9日10日の二日間で4カ所回らせていただきました。
まず一か所目は、矢本東市民センターです。
100名ものお客様が発声練習をして迎えてくださいました。
いつものように「青い山脈」の昭和歌謡から始まり、
「四季の歌」「里の秋」などおなじみの歌を大きな声で歌います。
「この辺りの秋の美味しいモノってなんですか?」
と尋ねると、「カキ!」という答えが返ってきました。
牡蠣かと思って聞いていたら、
「木になるカキだよ!」と言われ、
「あれ?どっちですか?」と聞き直すと、
「牡蠣も柿も、どっちもだ」とのことでした(笑)
海と山の幸に恵まれているのですね。
さて、リピーターのお客様もいらっしゃるということで
今回新しいゲーム&体操を考えてみました。
童謡「あんたがたどこさ」を「さ」の歌詞のところだけ
万歳をするというもの。
単純そうですが、これがなかなか難しい!
テンポアップしたらついてこられたのは半数くらい(笑)
列ごとにチーム対抗でやってみたところ、とっても盛り上がりました。
夜は大曲市民センターです。
あいにくの雨となりましたが、
150名ほどの方が集まってくださいました。
小さなお子さんが会場を元気に走り回っていて、
お母さんが「この子、去年の歌声喫茶のとき、まだお腹にいたんですよ」
とおっしゃって、私たちもビックリ!
おばあちゃまと3世代で参加してくださり、感無量でした。
2日目は、野蒜市民センターからスタートです。
土地の引き渡しなどが難航し、
復興が一番最後になってしまう土地だとお聞きしました。
学校の敷地内に建てられた仮設集会所は、
去年とまったく変わっていません。
1日も早い復興を願いながら、
今は気持ちだけでもくじけないよう大きな声を出そういう
皆さんの強さが感じられました。
昨夜ロケ先から駆けつけた太川陽介さんが
朝から「ルイルイ」を歌い踊って盛り上げます。
対照的な渋い低音ボイスの村井國夫さんとは
漫才の掛け合いのようなトークで、
みんなで涙が出るほど笑いました。
ラストは、矢本西市民センターです。
昨年私たちに地元民謡の「斎太郎節(大歌い込み)」の踊りを教えてくださった
ミチコさんが駆けつけてくださり、
また民謡の名手がマイクを握り、
会場の皆さんと大盛り上がりでエンディング迎えました。
私たちが東松島市に通わせていただき、四年目となります。
こうして一緒に歌って踊って、
お話したり写真を撮ったりと交流を重ね、
すっかりお顔を覚えてしまうほどになりました。
一緒に笑ったり泣いたり、
ご家族のお話も聞かせていただいて、
確かな絆を感じています。
私たちにとっても「故郷」だと思いを寄せている土地になりました。
その東松島市は今年で市制施行10周年 社協合併10周年ということで、
それを記念した東松島市社協福祉大会2015にて、
生活復興に寄与したとして「音無美紀子の歌声喫茶」が
感謝状を頂戴いたしました。
座長の音無美紀子さんも、
「思いがけない事に我々一同大変恐縮しておりますが、
これからも微力ながら皆様の心の復興のお手伝いをさせて頂ければ
と思っております」と
驚きと喜びの気持ちでおります。
どの会場も満員で大変楽しいひと時を過ごさせていただけましたのも、
東松島市社協の皆様のご尽力のおかげと感謝するばかりです。
本当にありがとうございました。
そして、また必ずお会いしましょう!
《参加メンバー》
音無美紀子、芦田昌太郎、奥村伸樹、
太川陽介、橋本志穂、原元美紀、村井國夫
《伴奏》
園田容子
《スタッフ》
栗原知里、村井健太郎