点が描く世界「印象派を超えて 点描の画家たち」 | 原元美紀 オフィシャルブログ 「原元美紀のミキペディア」 Powered by Ameba

点が描く世界「印象派を超えて 点描の画家たち」

東京•六本木の国立新美術館で開催されている
「印象派を超えて 点描の画家たち」 を見に行きました。


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ゴッホ、スーラ、シスレーなど、

印象派を代表する点描画が展示されています。


これまで絵画を見るのは好きだったのですが、

「印象派」をどうとらえてよいのか、

漠然としていました。


でも、この展覧会に行って、

初めて「印象派のなんたるか」が理解できた気がします。


解説によると・・・、

19世紀末から20世紀前半のヨーロッパ絵画界では、

「印象派」による革命が起きました。


それまでの古典絵画は、滑らかな筆致、

まるで写真のようなリアルな描写が主流となっていました。


カンヴァスに乗せる色は、

すでにパレットで混ぜ合わされたもので、

場面の一瞬を切り取ったような緻密な構図は完成度が高く

見る者を圧倒します。



しかし、人の目に映る風景や生き物の姿は、

陽光や風を受けて輝たり揺らいだり

刻々と表情を変えるもの。


この「表情」を描くのが「印象派」の画家たちでした。



色というものは混ぜれば混ぜるほど黒に近づいていき、

それぞれの色が持つ輝きが失われてしまいます。


そこで、印象派の画家たちは、

パレットで絵の具を混ぜ合わせず、

純色のままカンヴァスに並べる斬新な手法を取ったのです。


さらに新・印象派画家スーラは、

細かい色の点を使って描く「点描」という技法を開拓しました。


科学的な知識をもとに、

様々な色の細かい点の集合が、

見る人の網膜上で色が混ざって見える

視覚の原理を利用したのです(!)。


(デジタル写真や印刷された写真も点の集合体ですものね)


この技法がゴッホやシスレー、モンドリアンなど

多くの画家たちに影響を与えていったのです。


私はこれまではダ・ヴィンチやラファエロといった

古典絵画が好きでした。


物語性があって

その作品世界に引き込まれるような迫力が魅力だったのです。


でも、最近は印象派が気になり始め、

なるべく美術館に足を運んで生で見るようにしています。


近づいて筆致を確認したり、ちょっと離れて全体を眺めてみたり、

印象派の画は見るほどに発見があります。



古典絵画が作品に引きずり込む迫力を持っているとしたら、

印象派絵画は、

その光景がカンヴァスを超えて広がってくる感じがします。



もっと詳しく知りたい方はこちらの公式サイト開設をどうぞ。

http://km2013.jp/image/pressrelease.pdf



ところで、最近の美術展のおみやげはユニークですね。


こちらは点描をモチーフにしたドロップです。

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絵画に使われている色のキューブ型ドロップなんですよ~。




さて、こちらは合わせてオススメの漫画です。

穂積さんの「さよならソルシエ」(小学館)。

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あのゴッホと弟のテオの物語。

天才画家ゴッホを支えた画商テオの悲しく激しい宿命を描いています。

フィクションではありますが、

あの「炎の画家」ゴッホが本当はこんな人物ったりして…、

天才の兄を持つ弟はどんな胸中だったのだろうか・・・、

など新解釈ひらめき電球


楽しく読めましたよん。