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スケート界の尾崎豊

男子フィギュアスケート界の超新星、羽生結弦選手。


驚異の成功率を誇るジャンプをはじめ、

長く柔軟性のある手足の表現力、独創的なスピン、

美しく、力強くとにかく魅力あふれる選手です。


23日・24日に行われたNHK杯の彼の演技を見て、

尾崎豊を思い出しました。


特に、23日のSP。


なぜ、羽生選手に尾崎を重ねて見たのか、

それは、顔の表情です。


これまでフィギュアでも新体操でも美を競うスポーツでは、

「悲しげ」とか、「切なげ」といった表情はよく見たのですが、

羽生選手のそれは違いました。


演技中に「フッ」と笑うのです。


そう、尾崎が歌いながら時折見せるあの表情です。


瞳の奥がどこまでも深淵で、なんというか厭世的なのです。


これまでこんな選手がいたでしょうか。


17歳の彼がどこでそんな表情を身に着けたのかは判りません。


けれど、激しい振り付けの時に

「俺を観ろ!」と言わんばかりの吼えるような横顔や

何かを断ち切るように振り下ろす腕に、

爆発寸前のエネルギーを感じ、

尾崎の歌を聞いた時と同じような衝撃を受けました。


「スケートが好き」というよりは、

内側からあふれ出す何かを表現せずにはいられなくて

その手段がスケートだったように感じるのです。


もちろん私個人の感想です。


ただ、尾崎ファンの私としては

羽生選手のことが頭から離れなくなり、

なんだか書き連ねてしまいました。