スター混声合唱団デビュー・コンサート第2弾<ハプニング編>
「どうしよう、ズボン忘れたーっ!」
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叫んだのは指揮者の奥村伸樹氏。
しかも、もう開演5分前に迫っていました。
出番待ちをしていたメンバーは、蜂の巣をつついたような騒ぎになりました。
「どーすんのよー。」
「取りに帰る?」
「間に合わない。」
すると、「僕のズボン貸してあげる」
と走ってきたのは渡辺宜嗣さん。
ふーっ。
みんなに安堵が広がります。
しかし、
ちょっとキツかったみたい・・・。
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絶対絶命、デビューコンサートなのに、
指揮者なしで歌うの!?
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「そうだ!ホテルだからブライダル用の衣裳があるはず。」
名案が浮かび、
なんとかホテルで衣裳を借してもらえることなりました。
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ほっ。
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それにしても、今回は会場がホテルで本当に助かりました。
『指揮者、ズボンを忘れたために開演時刻遅れる!?』
なんて、ずいぶん驚かされましたが、
ハプニングのおかげでみんなの気持ちも一つにまとまりました。
これですっかり緊張もほぐれ、
笑顔一杯のままお客さまの待つステージに向かう私たち。
一方、13時の開演を遅らせてしまった指揮者の奥村伸樹氏。
邦子 「先生、ずいぶん、汗だくですけれど、どうしたんですか?」
奥村 「はあ・・・、実はズボン忘れちゃって。」
邦子 「ホテルでブライダル用の衣裳を借りたそうじゃないですか。」
どっと大笑いの客席。
さあ、客席もあたたまったところで、
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「それでは、いよいよ『スター』のみなさんの登場です!!」
邦子団長のかけ声とともに、
ピアノと弦楽四重奏の伴奏が高らかに響きます。
曲はもちろん、私たちのテーマソング「手のひらを太陽に」。
「♪ ぼーくらはみんなー 生きている~」
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しかし、歌声は聞こえてくるけれど、
メンバーの姿がステージにはありません。
キョロキョロするお客さま。
そう、私たちは客席後方から
お客さまのおそばを通って入場したのです。
笑顔で迎えてくださるお客さま。
そのお一人お一人のお顔を見させていただきながら、
「今日これからのひと時を、一緒に楽しく過せますように」
と私たちも心で願っていました。