国賓でもないのですが、迎賓館へ行ってまいりました。
私、この度フツーの人は入れないトコロへの侵入を許されました。
実は、元赤坂の迎賓館が一般公開されているのです。
抽選で当たった選ばれし者だけが入館を許されます。
一般公開とはいっても、
きちんと名前を登録し、
当日も身分証明書を持参しなければなりません。
「モーニングバード!」カメラマンのクミちゃんが、
私の分も申し込んでくれました。
しかし、
私の名前を間違え、
「美紀」の「紀」が、「樹」で応募してしまったというのです。
当日に門前払いは悲しいので、事前に電話で連絡しました。
クミちゃん 「漢字を間違えてしまいました。」
迎賓館 「紀州の『紀』ですね」
との会話があり、
迎えた当日…、
さすがおもてなしの最高峰、迎賓館!
来場者名簿はちゃんと直されていました。
こうして無事に入館が許された私ですが、
迎賓館の迎賓館の見事さには心奪われっぱなしでした。
迎賓館は、かつては『紀州徳川家』の江戸屋敷があった広大な敷地の一部に、
明治42年(1909)に東宮御所として建設されたものだそうです。
日本における唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築。
まさにお城のようです!
日本の国際社会への復帰に伴い、海外からの賓客をお迎えし、
接遇することを目的として改修が行われ、
昭和49年に国の迎賓館として生まれ変わったということです。
そして、平成21年国宝に指定されました。
威風堂々とした正面玄関。
花崗岩が敷き詰められ、見事な金細工を施した門にうっとり。
国賓となると、
この門をくぐって、赤絨毯の敷き詰められたホールへ向かうのですね。
我々ツアー団は、通用口から入館でした(汗)
残念なことに、館内は撮影禁止。
みなさんにお見せできず心苦しいです。
晩餐会や調印式の行われるお部屋の数々は、
どれも国の維新をかけて作られたことが一目でうかがえます。
私が特に魅了されたのは、
晩餐会が催される「花鳥の間」の壁面を飾る七宝焼きでした。
「チャボ」や「牡丹」など、
日本の式折々の花鳥が描かれた30枚の七宝焼きは、
淡く繊細なグラデーションと、
焼き物独特の透明感で、
温かみがあるのにスッキリとした高貴な風情を漂わせています。
当時、日本を代表する七宝焼き職人の涛川惣助(なみかわそうすけ)さんが
数年かけて制作されたそうですが、
彼は完成後間もなく亡くなったそうです。
まさに精魂込めて作られたのでしょう。
静かな迫力を感じる作品でした。
また、「朝日の間」の天井絵画には、
かつての海軍の象徴である「船に月桂冠」、
陸軍の象徴である「鎧に栄冠と獅子頭」が描かれているのですが、
この獅子頭の目が、どの角度から見ても、
見ている人の目を見つめているように感じる「だまし絵」なのです!!
ぜひ体験してもらいたい。
ちょっと怖かった~
正面玄関の反対側に、主庭があります。
約117,000㎡の敷地面積のほぼ7割がお庭だとか!
ぽっかりと抜けるような広い空に、大きな噴水が心を豊かにしてくれるようです。
とにかく、ゴージャスさに圧倒され続けたツアーでした。
色彩やデザインの大胆さ、装飾の緻密さ、
どれをとっても一級品です。
明治時代に生きた人たちが
日本の威信を懸けて築いたその思いが今も息づいているようでした。
ツアーは毎年夏頃に開催されています。
ぜひみなさんも応募してみてください。
国の「土台」を感じることができると思います。