尾崎ハウス
とうとう尾崎ハウスが取り壊されることになりました。
私が初めて尾崎ハウスを訪れたのは、1992年6月。
尾崎が亡くなって2ヶ月ほどのこと。
東京・足立区の民家の庭で尾崎は倒れていました。
玄関でひとの良さそうなおじさんが出迎えてくれ、
「ここだよ」
と教えてくれたのは、小さな小さな庭先。
物干し竿の下にはたくさんのお花が備えられていました。
「みんな、なんか知らないけど、
お線香代わりにタバコを供えて行くんだよね」
と首を傾げるそのおじさんの名前は、
小峰忠雄さんでした。
それから6年。
尾崎の七回忌に、再び尾崎ハウスを訪れました。
この家には全国から尾崎ファンが集まり続け、
小峰さんは自宅の部屋を開放して、
「居場所の無い」子どもたちに部屋を与えてくれました。
部屋からは、
かき鳴らすギターの音色、
息遣いまでそっくりな尾崎の歌を歌う声が漏れ聞こえていました。
前回はしびれるような空気感に気後れして入ることを断念しましたが、
意を決して、玄関へ。
靴でいっぱい。
”ああ、ここにも尾崎はいたのか。”
そう感じさせてくれます。
タイムスリップしたような、いや、時が止まったような
不思議な感覚に包まれました。
この尾崎の部屋も19年で役目を終えます。
小峰さん、長い間、
「居場所」をありがとうございました。
あなたのおかげで、どれだけの若者が救われたことでしょう。
心から感謝です。
~アントキノニッキ~
「原元美紀のぢょしアナ日記」
http://www.mikimouse.info/diary'98.04.htm#1998.4.25
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