■これは私の親友の話である。
ある日、9ヶ月の赤ちゃん「ヒロくん(仮名)」が突然母乳を飲まなくなった。
鼻がつまると飲めなくなるとも聞き、病院に連れて行ったが、心配するほどの症状もなかった。3日が過ぎても、ヒロくんは母乳を飲もうとせず、おっぱいをくわえるのですら、拒否をする。今まで毎日母乳のみで生活し、離乳食もあまり進んでいなかったため、非常にあせった。哺乳瓶を嫌い、粉ミルクも飲まないヒロくん。
絞った母乳なら飲んでくれるため、なれない中、彼女はヒロくんのために母乳を搾った。突然飲んでくれなくなったため、おっぱいはパンパン。
困った彼女は、おっぱいマッサージに向かった。
先生は、出産してから、彼女の母乳の事を考えていてくれた。
「何故、突然ヒロ君は母乳を飲まなくなったのだろう。何か、自分の母乳に問題があったのかなあ」と考える彼女。
先生はしばらくヒロくんを見てこう言った。
「わかった。」
「?」
「この子はね、自分の意思で飲まないの。飲むとお母さんに悪いなあと思ってるの」
当時9ヶ月のヒロくんは、なんと体重11キロ。彼女が母乳の質を良くしようと、厳しい食事制限などの努力をしたためか、はたまた彼の体質なのか、ごくごく飲み、とっても大きくなったヒロくん。
その姿は、見る人に思わず
「大きいねえ。すごく重いなあ」と思わず、揶揄するように言ってしまうぐらい。
私も思わず、おおおっと圧倒されていた。大きいなあすごいなあ、と笑ってしまうぐらい。
そして彼女が腰を痛めたりすると
「ほら、ヒロ君が重いから、お母さん腰痛くなっちゃったのよ~」とみんなで、軽口を叩いてたりした。
ヒロ君は聞いていたのだ。
自分の体重のせいで、お母さんに迷惑をかけている。
自分の体の大きいせいで、お母さんがしんどい思いをしている。
僕、母乳やめなきゃ。
マッサージの先生はヒロ君を引き寄せ、こう言った。
「あのね、ヒロくん。お母さんはね、ヒロくんに母乳を飲んでほしいとおもってるのよ。ヒロ君に美味しい母乳を飲んで大きくなってほしいって思ってるのよ」
今まで、笑顔で活発に遊んでいたヒロ君は、その言葉を聞いた途端、号泣しだした。
■こだまっちは今日で9ヶ月を迎えた。
今までできなかったハイハイができるようになり、自力で立とうと何回も私の体をよじ登る。
後追いもひどく、姿が見えなければすぐ泣き、その声は近所の人に「病気なの?」といわれるぐらい強烈なものだ。
私は、こだまっちと24時間一緒にすごしている。
だから、こだまっちを傷つけるようなことは言わない。
たとえ、それが冗談だったとしても、否定的な言葉は吐かない。
こだまっちが、泣いたら、全身でそれを受け止めてあげたい。
アレルギーがあるんだから、離乳食だって真剣に頑張る。
しんどいなあ、と思うたび、私がヒロくんに対してやってしまったことを、少し思い出す。
赤ちゃんは聞いているのだ。
■自戒をこめて。後追いにつぶされそうな、私なのである。はらほろひれはれ~
今日静岡より、義妹と、劇団の先輩が来る。私のあまりの太りかげんに大笑いされてしまったのだ。うーん。先輩は新国立にたつのにね。私、なにやってるのかしら。って、子育てよ!
