■病院に行く。何度行っても病院に慣れることはない。一回も入院したことがないので、私にとっては敷居が高い。看護婦さんも先生も皆親切なのだが、どうにも緊張する。「この一ヶ月は何が起こるかわからないので、とにかく寝てて下さいね」と厳重注意を受けながらも、寝るのに飽きて、やれ図書館だ、やれ買物だと日々でかけ、ついには山まで登る始末。吐き気を繰り返す毎日。「もし…、もし…」と、アタマの中を不安がよぎる。心配していても、腹の中は見えないのだから、検査まではどうにもわからないのだ。
■血液検査や様々な検査の結果を聞く。とりあえず、今回は出産に向けて行く方向で大丈夫のようだ。お腹の中の赤ん坊は元気良く動き、前回の物体から進化して頭と手がわかった。心臓もばくばく動いている。あの映像はすごいなあ。先生が写真をとってくれたが、どうみても「ムンクの叫び」の絵のようにしか見えない。ちょっとオカルトっぽくて自分のお腹の中ながらびびる。
■なんにせよ、こうなったのだ。どんな事があっても前に進むのみ。地味にこれからも頑張ろうと、鼻息荒く立ち上がったやさき「あの、くしゃみや咳はもっと丁寧にしてね」と言われる。ああ、小さい頃から言われてました。くしゃみ、でかいんだよと…。こんな所でまで言われるとは思いませんでした。