<要約>

・ヘルスケアビジネスで得られる自己肯定感や生き甲斐は経済的利益を凌駕する

・自分の本当にやりたい事を仕事にすることで人生が充実する

・ガラスの天井をぶち壊して能力を解放せよ!

・過去は変えられる

図. 現在の医療現場は能力の高い人ほど「出る杭を打たれて能力を解放できない状況」にあり非常に低い「ガラスの天井」が存在する

 

<本文>

私は、本ブログを読むことによって皆様にヘルスアビジネスを通して経済的自由を手に入れて欲しいと考えています。しかしヘルスケアビジネスを行うことで得られるメリットは経済的なものだけではありません。経済的自由よりも、社会的貢献によって得られる喜びや自己肯定感といった経済的な視点以外の部分で得られる生き甲斐等の方がより重要だと考えています(※これはマズローの自己実現欲求として知られています)。

 

このブログの読者はヘルスケアビジネスに活路を見出そうとしている人たちでしょうから、非医療関係者であれば「自分の知識や能力を用いて人の役に立てる仕事がしたい」と思っている人が多いでしょう。あなたが医療従事者であるならば、自分のアイデアで「もっと世の中を良く出来るかもしれない」という思いをお持ちだと思います。

 

『患者さんによりよい医療を届ける』

 

臨床現場の好きな医療者にとってこれ以上の喜びはありません。ちなみにここでいう『医療』というのは単に病気を治すという事を意味するものではありません。『医療』とは、患者さん自身が病気と上手く付き合って生きて行けるような工夫をしたり、患者さんの家族が介護疲れ等によって、彼らの人生を犠牲にすることなく患者と向き合って行けるように調整してあげたりすること等を含むとても広い概念です。医療従事者には本当に利他的な考えの人が多く、多少の自己犠牲を払ってでも他人の幸せを望むようなタイプの人が多いのです。

 

もしあなたが利他的な人物であれば、ヘルスケアビジネスはとてもやりがいのある仕事となります。多くの人は大学を卒業後、定年までの40年という時間を何らかの仕事と付き合っていかなければならないわけですから、自分が幸せを感じられることや自分自身が本当にやりたい事を仕事にすることによって、あなたの人生を充実させていただきたいと思います。我々のような医療従事者にとって死は日常の一部であり、多くの患者さんの死に立ち会ってきました。患者さんが人生の最後に述べる言葉で最も多いのは、「もっと自分の好きなことに打ち込めばよかった」というものです(※参考書籍を本ブログに下部に掲載)。一度しかない人生なのですから、皆様には是非好きな事をして頂きたいと思います。

 

しかしながら、日本社会の中では病院や会社という組織に所属しながら自分のやりたいことに本気で取り組むことはかなり難しいというのが現状です。病院であれ会社であれ、あなたがなにか新しいチャレンジをしようとすると、「仕事を増やしたくない人」、「既得権益のある人」、「あなたが業績を上げるのが面白くない人」等から、これでもかというほど反対されるはずです。このように「出る杭は打たれる」という状況を何度も経験したという読者も多いのではないでしょうか?

 

アイデアはそれを必要とする現場に届けて初めて意味があります。作った料理をお客さんに食べてもらえないレストランなんてあり得ません。しかしながら多くの組織では「出る杭を打つ人」が主流であるため、新しい取り組みに挑戦することが難しくなっています。現在、多くの優秀な若手がこの「ガラスの天井」によって、能力を発揮できない状態が日本社会に蔓延しているように思えてなりません。起業とは、このガラスの天井をぶち壊して、自らの能力を最大限に発揮できる環境を構築することなのです。

 

ちなみに、私がこれほど口を酸っぱくして「人生を充実させろ」と皆に言い続けている理由は、人生を充実させることで「過去を変えられる」からです。医師をやっていると様々な患者さんに出会います。若くして下半身不随になる人もいます。もしあなたがそんな状況になったとしたら、正に人生のどん底だと感じると思います。しかし、様々な人との出会い等を通して新しい人生の目標を見つけ、それを達成した人は素晴らしく輝いています。例えばパラリンピックで優勝する等している人を想像してみて下さい。こういった方とお話させて頂くと、下半身不随になったことがむしろ今の幸せに繋がっている等という主旨の発言をされることも多く、むしろ事故にあったからこそ今の幸せがあると言わんばかりに輝いています。このように今が充実していれば、過去の不幸な出来事が人生を輝かせるためのスパイスに変化するという事です。

 

意外に思われるかも知れませんが、医師には学歴コンプレックスを持っている人が非常に多いです。その理由は、偏差値という自分が圧倒的に強かったゲームで絶対に勝てない人の存在を知ってしまい自分のアイデンティティを失ってしまうからだと思います(※第一志望の大学に合格できなかったということを人生の最大の汚点、失敗の過去と思っている医師が少なからずいるという事です)。その結果、日本の医師は出身大学で徒党を組むという、いわゆる学閥を作ることが非常に多く、「学閥を超えて協力し合って何かをする」ということが非常に苦手です。皆様がヘルスケアビジネスをするにあたっては、この点が非常に大きなリスクとなることも多いので、頭の片隅においておいてください。

 

最後は少し話が逸れましたが、ヘルスケアビジネスは世の中を良くするだけでなく、プレイヤーの人生を充実させることのできる非常に面白いツールになるのではないかと私は期待しています。次章からはいよいよ、ヘルスケアビジネスを立ち上げるためのより具体的な話に移っていきたいと思います。これらの知識を通して、他人を思いやれる心を持った利他的な人がより幸せになれるような世の中を皆様と一緒に作っていければと思います。

 

<参考書籍>

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