母が実家を旅立つ日・・要介護3、特養に入所する日の母のこと・・ | 50代主婦いよいよ実家じまいがやってきた

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明治の初めから4代続いた実家が、いよいよ幕を閉じようとしています。決して円満とは言えない家族でした。でも今はただ、寂しいばかりです。

 

何も知らずに最後の日を過ごした母

 

    

私のブログにお越しいただき

有り難うございます。

 

特養に入所する前日、

母が実家で過ごす最後の日となった

4月のある日のことについて

私の思いを綴りたいと思います。

 

まずは

母の愛猫フジちゃんのことを・・

 

こちらは2022年4月、

特養に入所する前日に

兄が送ってくれた

母と愛猫のフジちゃんの写真です。

 

 

フジちゃんは、厳密に言えば野良猫なのですが、

もう何年も我が家に住み着いている雄猫でした。

 

母の最後の日を一緒に過ごしたのも

特養に向かう母を見送ったのも

このフジちゃんです。

 

母がデイに通うようになっても

ショートで数日家を空けるようになっても

 

暑い夏も、凍える冬も・・

コロナで私が帰省できなくなった時も・・

 

ずっと母のそばに居続けてくれていました。

 

そんなフジちゃんのお話を少しさせて下さい。

 

 

2018年初頭 冬の日の出来事です。
 
父が亡くなるまで3年間
私は実家と距離を置いていました。
 
その間 私に代わって
父母の様子を見てくれたのは兄です。
 
私はこの日まで
父が亡くなったのは
母のせいだという思いがあり
母に対して怒りと憎しみのような
感情を抱いていました。

 

フジちゃん♂は

母が父を亡くしてすぐに、

愛する奥さんネコとの間に

3匹の赤ちゃん猫をもうけました。

 

本当に仲の良いネコの家族で、

寂しい母の心をどんなに癒やしたことか・・

 

ゴロゴロ喉を鳴らして

頬を寄せ合う親猫2匹

 

愛らしい赤ちゃんと

子猫を守るように丸く横になる

奥さんネコの体を

丁寧に舐めてやるフジちゃん

 

何の飾り気もない愛があふれていて

 

仲睦まじい親子の様子は

わたしの心の中で思い描いていた

家族の姿そのものでした。

   在りし日の母ネコと3匹の子猫

   認知症のある母なりに 工夫して

   段ボールで家をつくってあげていました。

 

 

 

ところがある日

私が実家に帰ってみると

フジちゃんの奥さんと子ネコ3匹の亡骸が

ゴロリと無残に

母の枕元に横たわっていたのです・・。

 

愛らしい

小さな子猫たちの

白い靴下をはいたような足先が

目に飛び込んできました。

 

小さなおててを広げたままで

横たわっている姿は

あまりに哀れで

気を失ってしまいそうになりました。

 

おそらく

盛りの付いた別のオスの野良猫に

襲われてしまったのでしょう・・。

 

母は生気を亡くして

亡骸の横に伏せっていました。

 

一体どれくらいの日々を

母はそうしていたのでしょうか?

 

冬だったことが幸いして

亡骸はキレイに原型を留めていましたが

昨日今日亡くなったものでは

ありませんでした。

 

私が

 

おかあちゃん!!!

 

と声を掛けると

母はゆっくり目を開けて

私に気付き

重い体を慌てて起こしました。

 

そして正座になると

手を合わせて

 

ありがとうございます。

ありがとうございます。

神さま 

ありがとうございます。

 

何度も何度も頭を下げました。

 

その姿が 哀れで哀れで 寂しくて

母の丸くなった背中をみるのが

悲しかった。

 

母はもう

ただの無力な

弱々しいおばあちゃんでした。

 

憎しみはもう終わりにしよう

 

と思わずにはおれませんでした。

 

 

その時、母は

目の前にいる娘の私ではなく

神さまにすがっていたのですから。

 

 

そして

フジちゃんも

母と同じように

ひとりぼっちになり

 

その日からずっと

母に寄り添い続けてくれました。

 

 

フジちゃんのことは

ずっと記録に残したかったのですが、

悲しすぎて汗汗汗

なかなか写真も見れずにいました。

 

今日は何とか気力を振り絞り

写真を引っ張り出す事ができ

 

ここにこうして

家族一緒にしてあげることができて

良かった・・汗汗汗

 

 

また次回も、特養入所に思うことを

書いていこうと思います。

 

 

読んでくださった皆さま

どうもありがとうございました。