新隠れ宿Ⅲ~25 | seppukuのブログ

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稽古を終えてから、着替えの間で、巫女の一人が、話しかけてきた。

「あなた達、宝剣の囁きを聞きたいの?」

「はい」と小百合。

「あたし聞いたことあるのよ」

「えっ!でも、宝剣の囁を聞いたら、切腹するのでは?」と真奈美。

「したよ。切腹・・」

巫女は、恥ずかしげもなく下腹を見せた。

そこには、茶色の一文字の傷跡が、くっきりと残っている。

「失敗したのよね。その日、無我夢中で、お腹を切ったんだけど、体調が、悪かったんだと思う。失神して、助けられちゃった」

「そうなんですか。宝剣の囁って、どんなんですか?」と小百合。

「ややハスキーな女の声よ。優しい感じだけれど、心地よく、直ぐ引き込まれてしまった」