稽古を終えてから、着替えの間で、巫女の一人が、話しかけてきた。
「あなた達、宝剣の囁きを聞きたいの?」
「はい」と小百合。
「あたし聞いたことあるのよ」
「えっ!でも、宝剣の囁を聞いたら、切腹するのでは?」と真奈美。
「したよ。切腹・・」
巫女は、恥ずかしげもなく下腹を見せた。
そこには、茶色の一文字の傷跡が、くっきりと残っている。
「失敗したのよね。その日、無我夢中で、お腹を切ったんだけど、体調が、悪かったんだと思う。失神して、助けられちゃった」
「そうなんですか。宝剣の囁って、どんなんですか?」と小百合。
「ややハスキーな女の声よ。優しい感じだけれど、心地よく、直ぐ引き込まれてしまった」