新隠れ宿Ⅲ~21 | seppukuのブログ

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「小百合、もしかして、女将さん、あたし達に、チャンスを与えてくれたのかしら」

「うん、そうかもしれないね・・ここで本望を遂げられる」

「事故が起きるときは、たいてい秘伝の宝剣が、巫女に囁くそうですよ」

「囁く?」

「はい、(お願いです。早くわたしをお腹に入れて)みたいなことを踊り手に語りかけるそうですよ」

「それは、たまらないわね。そんなこと刀が囁いたら、誰だって、やってしまうわよ」

「そうですよね。でも、誰にでも囁くわけではなくて、宝剣のお気に入りの巫女にだけに囁くらしいんです」

「そうなんですね。でも、お稽古に使う宝剣ってたくさんありますよね」

「そうなんです。それぞれの宝剣が、お気に入りの巫女を見つけた時に語りかけるそうです」

「あたしのこと宝剣が気に入ってくれるかしら?」