今回紹介する映画は善魔。この映画を最初に観た時、タイトル名の意味がわからないまま観てしまったのだが、ちなみにAIに調べさせると『行き過ぎた善意、または独善的な正義感によって、結果的に悪魔のような害を及ぼす存在』と出た。
確かに映画の途中でこの善魔を説明するような台詞も出てくるが、実は俺には理解ができなかった。やたら三国連太郎演じる青年が怖いぐらい純真な心を持っている人物に描かれているのが印象的だったのだが、善魔の意味を調べてぞっとしたし、凄いクライマックスシーンだったことに調べてから気づいた。
悪魔よりも善魔の方が恐ろしいと思えるストーリーの紹介を。
新聞記者の三国連太郎(三国連太郎)は、上司の中沼(森雅之)から、大物官僚である北浦の妻である伊都子(淡島千景)が失踪した理由を調べるように命令される。プライバシーに立ち入ることを嫌がる三国だったが、渋々了解して調べることにする。
実は中沼と伊都子は彼女が結婚する10年前のことだが、お互いに気になる存在だったのだが、伊都子は結局高級官僚である北浦と結婚したという過去があったのだ。
三国は伊都子の父(笠智衆)を訪ねるとそこに伊都子の妹の三香子(桂木洋子)もおり、三香子から伊都子の親友の家を聞き出し、三香子と一緒にそこへ行くと伊都子がいた。
三国は伊都子に家出した理由を聞き出そうとするのだが・・・![]()
映画の本筋に入っていくのは、更にその後から。三国は正義感が強く、ピュアな青年であり三香子と好き同士になってからの純粋過ぎる気持ちには、正直ドン引きするぐらいだ。
そして三国が上司の中沼を尊敬している様子もよくわかる。しかし、今まで中沼の知らない欠点を知ってから、三国が中沼に対し怒りをぶつける。中沼の欠点と言っても人間性を疑う程のもんではないし、見過ごしても良いレベルの問題。しかし、そこで善魔を発揮した三国は怒り狂い中沼のみならず伊都子に対しても悲しみを与えてしまう。
この世の中、政治家の中には自らの魂を売り飛ばして、選挙協力のためだけに新しい政党を作り上げる悪魔みたいな議員が多々存在するのが腹立つ。しかし、余計なお節介を仕掛ける善魔の持ち主に、はた迷惑な気分を持っている人もいるだろう。正義感を振りかざして事を大袈裟にしてしまう人間も非常に厄介だと本作を観ていると思う。善魔の意味を知って本作を観ると、非常に余韻の残る映画。そして、もう気づいた人もいると思うが三国連太郎の芸名は本作の役名から取ったものです。思わず自分自身の心に問い詰めたくなる善魔を今回はお勧めに挙げておこう![]()
監督は名匠木下恵介。小豆島を舞台に先生と生徒の交流が繰り広げられる二十四の瞳、日本映画初のカラー作品だと言われるコメディカルメン故郷に帰る、戦後の女生徒の苦しみを描いた女の園、夫婦の憎しみ合いを描いた永遠の人、そして文芸作品である野菊の如き君なりきがお勧め![]()









