俺は昭和半ば以降の生まれだが、今回紹介する映画あらくれは大正初期を舞台にした作品。昭和初期の男は猛々しい印象がある。本作はそれより昔の映画だから男尊女卑的で男が居張り散らしているシーンが多く出るのかと思いきや、高峰秀子さん演じる女性がそりゃ~強い。決して男性に頼ろうとしないメンタルの強さもそうだが、なんなら男からビンタを喰らったぐらいでは、へこたれずに猛反撃にでる。本作ではダメ男ばかり出てくるが、逆にいえば女性の逞しさを描いた作品だったのだ。
男運が無さすぎる女性を描いたストーリーの紹介を。
結婚話が嫌で東京に帰ってきたお島(高峰秀子)だが、今度は金持ちの若主人の鶴さん(上原兼)の後妻になるが、女癖の悪い鶴さんと上手くいかず、結局は鶴さんとも離れることになる、
兄(宮口精二)のおかげもあり、東北の寒村の旅館で働くことになったお島。そこには奥さんが肺病で実家に帰っていた若旦那浜屋の若旦那(森雅之)がいたのだが、彼と一緒になってしまう。決して浜屋の妾にはなりたくないお島だったが、浜屋の若旦那の態度は煮え切らない。しかも、奥さんが帰ってくることになってしまった。
ここにきて父親が迎えに来たこともあり、まだ浜屋の若旦那に恋心を持っていたお島だったが東京に帰る。そこでも男並みに働くお島だったが、同業者の小野田(加藤大介)と知り合い、一緒に服のお店を出して結婚までするが、小野田は仕事を頑張らないし、その分をお島がカバーする形で働く。そんな二人は取っ組み合いの喧嘩は日常茶飯事。そして、風の噂で浜屋の若旦那が死んだことを耳にしたお島は店を留守にして浜屋に向かうが、その間に小野田が浮気をしており・・・![]()
エロい男ばかり出てきて何だか自分が恥ずかしくなってきた。大正初期の女性はか弱き女性ばかりかと思っていたのだが、本作の高峰秀子さん演じる女性はキップがいいだけでなく、強くて逞しい。男にビンタをされたぐらいで逃げるようなことはしないし真正面から立ち向かっていく。時にはホースを持って大暴れするシーンがあったりで笑えた。
本当に男運の悪い高峰秀子さん演じる主人公の女性だが、最後は気持ちよく締める。強いだけでなく、自立精神が旺盛。それでいて情にほだされやすい。女も男もこれぐらいしっかりしてないといけない。タイトルの意味は女性主人公のことを表していたんだ。そんな訳で私も男に頼らなくても良いぐらい強くなりたいと思っている女性には特にあらくれをお勧め映画に挙げておこう![]()
監督は女性の気持ちをよく知っている成瀬巳喜男。本当に女性を主人公に持ってきた映画に良作が多い。日本映画の最高峰に近い映画だと思っている浮雲、他には川端康成原作の山の音、めし、驟雨もお勧め![]()









