褒めまくる映画伝道師のブログ

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気に入った映画を紹介して褒めまくることがコンセプトです。
素晴らしい映画を将来のために伝えたい想いで紹介します。

       映画 天国と地獄


 
 戦後の焼け野原同然だった日本が奇跡的な高度経済成長を成し遂げるが、経済発展する国にとって付きまとう問題が格差社会。経済発展している国は国民全員が大金持ち、なんて有り得るわけが無く、そこには当然のごとく勝ち組みと負け組みが存在する。それはまさに高度経済成長期における日本も同様だ。ちなみに俺は残念ながら負け組だが、カネは無くとも心は裕福でありたい。

 それでは戦後の日本高度成長期を背景にした骨太のサスペンスのストーリーの紹介を。

 次期社長候補である権藤(三船敏郎)の元に電話が入る。息子を誘拐したので身代金3,000万円を用意しろという内容だが息子は家にいる。犯人は間違って権藤の息子ではなく、彼の運転手の息子を誘拐してしまったのだ。少しばかりオッチョコチョイな犯人かと思いきや、そこから抜群の知能犯らしさを見せ付ける。身代金を払わなければ、運転手の子供の命が無いぞと脅迫される。

 次の株主総会において株を買い占めて社長の座に就くために用意していた5,000万円のうちの3,000万円を犯人に渡すかどうか迷っていた権藤だったが、犯人の要求を聞き入れることは彼の会社内においての失脚を意味することでもあった。しかし、犯人の要求を聞き入れなければ、運転手の息子の命が危ない。
 苦渋の選択で権藤は犯人の要求に応えるために3,000万円を支払うことにするが、犯人は意外な方法で金の引渡し方法を命令してくる。なかなか正体を見せない犯人に対して警察も振り回されるのだが・・・ビックリマーク

 出世欲に邁進する権藤や、会社の重役連中の話を聞いていると資本家の傲慢さが非常に腹が立つ。しかし、この映画で俺が興味が惹かれるのが金持ちと貧乏人の格差。

 権藤の家は高台に建てられており、誘拐犯は夏も冷房が効かない貧乏部屋から権藤の家を仰ぐように見ている。高台が天国ならば、貧乏人が集まっているボロ家は地獄を表現しているようだ。

 結構意外な方法で3,000万円の受け渡しがされており、かなりの見所。しかし、ここからの警察の執念が凄い。全てを失った権藤のために恐るべき執念を警察が見せるのだが、単なる誘拐罪で捕まえるぐらいでは刑が軽いので、犯人を泳がして殺人罪にまで持っていて死刑に追い込もうとする。誘拐罪を殺人罪にして刑罰を重くしようと警察が実行するこの描写に賛否両論があるかもしれない。

 しかし、警察の非常に丹念な捜査は良く出来ている。ヤマ勘を頼りに犯人を探し出すのではなく、地道な捜査による犯人探しが好感が持てる。

 原作はエド・マクベインの『キングの身代金』だが、脚本が黒澤明を中心に四人で書かれている。行き過ぎに思えるような警察の捜査に黒澤明監督の社会悪に対する怒りが充分に表現されているのは興味深いし、刑事や権藤、そして犯人の必死さが伝わってくるサスペンス感は相当な出来栄え。そして、本作は撮影の邪魔になる実際の家をぶっ壊したり等といったエピソードにも事欠かない作品。その辺は各自で調べてもらおう。

 日本にもこんな骨太で楽しいサスペンス映画があるんだ、ということで今回は映画天国と地獄をお勧めとしておこうビックリマーク

 

 監督は前述したように黒澤明。日本が世界に誇る映画監督であり、彼が世界の映画作家に与えた影響は計り知れない。ちなみに本作はスパイク・リー監督がリメイクしています。

 お勧めは多数あり、時代劇に多くの傑作を遺したが、現代劇を描いた作品から選ぶと生きる悪い奴ほどよく眠る野良犬等がお勧めビックリマーク

 

 


 

 


 




 
 

 
 
 
 

 

      映画 愛のメモリー

 サスペンス映画の神様と呼ばれるアルフレッド・ヒッチコック監督。その継承者とよく言われるのが、ブライアン・デ・パルマ監督だ。俺に言わせれば継承していると言うよりも、むしろ色々とヒッチコック監督の作品の小ネタをパクっている。しかし、パクっていると言ってもそれは決して悪いことではない。むしろヒッチコックに対する敬愛の強さがブライアン・デ・パルマ監督の映像意欲を駆り立てていると言えるだろう。その中でもヒッチコック監督の作品をモロに影響を受けているのが今回紹介する映画愛のメモリー。ストーリー展開、小道具の使い方などヒッチコック作品のネタが散見されている。

 

 音楽も数々のヒッチコック作品を手掛けたバーナード・ハーマンを起用するというヒッチコック愛が徹底しているストーリーの紹介を。

 1959年、ニューオリンズにおいて。土地開発を仕事にしている実業家のマイケル(クリフ・ロバートソン)の結婚10周年記念が行われていた。しかし、その夜のこと妻のエリザベス(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)と娘のエイミーを誘拐されてしまい、犯人から身代金として50万ドルを要求されてしまう。

 愛する妻子を取り返すために警察と相談して策戦を練って実行するが、追い詰めようとした犯人と妻子を乗せた車が橋から転落して爆破してしまう。

 16年の時を経て、まだ亡くなった妻子のことを忘れられないでいたマイケルは商談のために共同経営者で友人のロバート(ジョン・リスゴー)とイタリアのフィレンツェに向かった。実はその場所は妻のエリザベスと出会った思い出の場所でもあったのだ。そして、マイケルはエリザベスと瓜二つの姿をしたサンドラと出会うことになるのだが・・・ビックリマーク

 

 愛していた亡き妻とソックリの女性を見掛けて、早速ナンパ。そして結婚するまでにこぎつけるのだが、何と16年前と同様にまたもや新妻も誘拐され、しかもあの時と同じように身代金を要求されてしまう。そして16年間という時は密接に繋がっていたことを観ている我々は思い知ることになる。

 ネタバレ厳禁のタイプの映画のためにストーリー内容の説明はこれぐらいにしておくが、非常に上手くできたサスペンス映画。よくブライアン・デ・パルマ監督は小手先のテクニックに走り過ぎて、内容がスカスカの時があるがこれは見応え充分。少しばかり神秘性を感じられるのが良いし、ラストへ向けてのアイデアは抜群に上手い。

 そして、ヒッチコック作品を多く観ている人ならば、彼の映画の色々なシーンを思い出されることだろう。

 ヒッチコック作品を観たことが無い人でも楽しめるし、ブライアン・デ・パルマ監督の映像テクニックを感じたい人には今回は愛のメモリーをお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は前述した通り、ブライアン・デ・パルマ。アル・パチーノ主演のギャング映画スカーフェイス、豪華キャストによるアンタッチャブル、これまたアル・パチーノ主演のカリートの道、スティーヴ・キング原作のキャリー、古典的な題材を取り入れたミュージカル風サスペンスのファントム・オブ・パラダイス、本作と同様にヒッチコックへの敬愛を感じさせる作品として殺しのドレスボディ・ダブルがお勧めビックリマーク

 

 

 

 

 

       映画 マーティ

 超イケメンでナンパ成功率100パーセントの俺と正反対の男が主人公の映画が今回紹介するマーティ。男女を問わず、自分が不細工だと自覚してしまっている人が見ると希望が溢れてくる内容だ。しかしながら、そんな俺でもなぜか50歳を過ぎているのに独身。自分でもなぜ結婚できないのかまるでわからない。

 

 すっかり容姿に自信を持てなくなってしまっている男は果たして恋愛を成就させることができるのか、簡単にストーリーの紹介を。

 精肉店で働いているマーティ(アーネスト・ボーグナイン)は34歳で独身。弟や妹たちは結婚しているのだが、彼は不細工で小太りの容姿が祟って結婚できずにいた。そんな彼を悩ますのが二人暮らしをしている母親テレサ(エスター・ミンチオッティ)やその周囲から次々投げかけられる『あんたも早く結婚しろ』という言葉。とにかく振られまくっているマーティにとっては、その言葉はかえって自らのコンプレックスを助長してしまうのだ。

 ある日のこと、彼は母や友人に誘われてダンスホールに行く。そのダンスホールでも誰からも相手にされなかったのだが、独りぼっちで泣いているクララ(ベッツィ・ブレア)に話しかける。マーティとクララは話し合っている内にお互いに意気投合。しかしながら、母親のテレサやマーティの友人達は大して美人でもないクララと付き合うことに反対し、約束していたデートもすっぽかそうとするのだが・・・ビックリマーク

 

 主役の醜男を演じるアーネスト・ボーグナインだが、実際に顔は不細工な方で太り気味。容姿だけを見ると女性の立場だと付き合うのはためらわれるだろう。そして彼には女性に振られまくっているだけでなく、精肉店で働いていることについても負い目を感じている。本作はこのように職業差別についてもさりげなく追及している。

 一方、女性のクララだが29歳という設定。こちらも見た目はそれほどパッとせずに地味な印象。男から声を掛けられるようなタイプではない。

 しかし、男女の恋愛関係なんて見た目だけでは決まらないもの。ましてや結婚までいくとなると、お互いに相手のことを尊重することが大切になってくる。この2人の関係を見ていて、何だか俺自身が反省することが多々あるような気がしてきた。

 本作はイタリア系アメリカ人、カトリックといった人種、宗教についても恋愛の障害になり得ることもさり気なく描いている。この当たりはアメリカという国の側面を描いているように見える。

 自分の容姿に自信が持てない人、本当の恋愛を学びたい人、恋愛関係から障害を乗り越えられずに発展できないカップルに今回はマーティをお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督はデルバート・マン。ハッキリ言って全く知らない人です。

 主演のアーネスト・ボーグナインは二枚目とは程遠いが、逆にその風貌を活かして数多くの傑作に出演。お勧めを挙げると地上(ここ)より永遠にワイルドバンチポセイドン・アドベンチャー飛べ!フェニックス北国の帝王がお勧めビックリマーク

 

 

 

 

   

       映画 放浪記

 名前ぐらいは聞いたことがある女性小説家林芙美子原作であり、彼女の代表作でもある放浪記。同名タイトルの小説の映画化作品を今回は紹介する。

 森光子さんの舞台やテレビでも有名だが、林芙美子さんの自伝的小説だ。俺みたいな平凡な人生を送っている人間が自伝的小説を書いても、非常につまらない内容のものしか生まれないが、彼女の人生は波乱万丈。波乱万丈の人生を送ったからと言って、面白い小説が書けるとは思わないが、彼女の屈辱の人生は放浪記という傑作を生みだし、創作意欲を掻き立てたことは間違いない。

 

 昭和初期の雰囲気も感じさせるストーリーの紹介を。

 林芙美子高峰秀子)は母親のきし(田中絹代)と行商をして暮らしているが、東京も不景気の真っ最中で物は売れず貧乏暮らしを強いられていた。そんな母娘に隣室の安岡(加東大介)は憐れみと芙美子へのほのかな想いから、金や物の無心をしていた。

 しかし、かつての男を忘れられない芙美子は安岡の想いに応えられずにおり、あらゆる職業を転々としながら、趣味で書いていた詩が文学界の人間の目に留まるようになってきたのだが、いかんせん男運が悪く・・・ビックリマーク

 

 実際はどうか知らないが、芙美子はイケメン好き。しかしながら彼が付き合う男はロクでも無い奴ばかり。芙美子は父親のことも嫌っており、母親のきしとも口論が絶えず、母とも別れて独り暮らしをする。そんな寂しさを振り切るように、イケメンの男を頼っては、暴力を振るわれる様子が切ない。

 しかし、芙美子が凄いのが逆境に遭っても強さを失わないこと。昔も今も女性はメンタルが強い。

 正直なところ暗いストーリー展開なので観ていて気持ち良くならないが、売れっ子小説家になっての最後のシーンが素晴らしい。林芙美子さんの信念を思い知らされる素晴らしいシーンが最後に見ることができる。自分が不幸だからといって、他人の力を当てにするのではなくて、自ら努力する姿勢が大切だ。

 そして、高峰秀子さんだが振り切った演技を見せてくれる。最近は日本の古い映画を観ることが多いのだが、意図せず彼女が出演している映画を多く見る。凄い女優なんだと本作を観て改めて思う。森光子さんの舞台劇しか知らない人、既に原作を読んでいる人、またはまだ読んでいない人。逆境に立ち向かう強い女性を見たい人に今回は放浪記をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は成瀬巳喜男。名匠であり林芙美子さんの原作を多く映画化しています。その中でもめし浮雲はお勧めビックリマーク

 

      映画 ジャッジ 裁かれる判事

 先日、ゴッドファーザー地獄の黙示録で知られる名優ロバート・デュヴァルが95歳でお亡くなりになられた。主に脇役で使われることが多かったが、その中でも彼の晩年に当たる作品であるジャッジ 裁かれる判事を今回は紹介しよう。

 ハリウッドのお家芸である法廷サスペンスでありながら、そのテーマは多岐に渡っている。人が人を裁くことの難しさ、家族の在り方、金儲けに邁進する弁護士等々。特に父と息子のドラマの描かれ方に感動を覚える内容だ。

 

 長年いがみ合ってきたきた親子は果たして仲良くなれるのか、それとも心が通じ合わないまま終わるのか、ストーリーの紹介を。

 金儲けのためならダーティーの手法を使ってでも勝ち取る弁護士ハンク(ロバート・ダウニー・Jr)だったが、母親の死去の知らせを聞いて故郷へ帰ってくる。

 ハンクの父親であるジョセフ(ロバート・デュヴァル)は裁判官の判事を40年間以上も務めていたのだが、2人の間にはあることを切っ掛けに埋めがたい亀裂が走っていた。

 兄のグレン(ヴィンセント・ドノフリオ)や知的障害を患っている弟のデイル(ジェレミー・ストロング)との距離は縮まるが、父親のジョゼフとは和解がならずに帰ろうとするのだが、帰りの飛行機の中でジョゼフがひき逃げの殺人容疑者になったことを知らされる。

 あれほど判事として真面目に生きてきたジョセフが法を犯すはずがないと思っていたのだが、出てくる証拠はジョセフに不利が目立つような物ばかり出てくるのだが・・・ビックリマーク

 

 地元の判事として罪を裁いてきた堅物の父親が法律を犯して人殺しをする。そんなことは信じられない息子である不良の弁護士のハンク。ハンクは父親の弁護をするようになるが、まるで性格が合わない2人の呼吸は合わず、ジョセフはピンチに陥る。しかし、ジョセフには秘密にしていることがあった。

 父親の秘密をばらして、陪審員たちの同情を引こうとしたい弁護士の息子。そんなことで自分の名誉を傷つけられることを避けたい判事である父親。何とかして無罪を勝ち取りたいハンクにとって重しになっている葛藤がサスペンスを盛り上げる。

 勿論、ジョセフが故意に人殺しに及んだのかどうかという点に惹きつけられるが、長年の積もり積もった親子は和解できるのかどうか?この二つの軸によって展開するストーリーが素晴らしい。そして、少しばかりの笑いもあったり、感動させる場面もあったりで堅苦しいだけの内容だけでないのも評価できる。

 さて、肝心のロバート・デュヴァルだが流石は名優といった貫録を見せる。時には強面の姿を見せるかと思えば、泣き叫ぶシーンもある。この当たりのさじ加減は抜群だ。

 前述したようにテーマは多岐に渡っており、そして綺麗な田舎の風景を見ることができる。ヴェラ・ファミーガビリー・ボブ・ソーントンといった豪華な脇役陣に対するキャラクター付けも深みがある。薄っぺらいサスペンス映画と違って、裁判の結末は勿論のことだが、観終えた後も余韻が残る。よって今回は単なる法廷サスペンスに終わらないジャッジ  裁かれる判事をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督はデヴィッド・ドブキン。知らない監督さんですが逆にお勧め作品を教えて欲しいです。

 ロバート・デュヴァルのお勧め作品は多数ありますが、アーノルド・シュワルツェネッガーが一人二役をこなすアクション映画シックス・デイ、テレビの視聴率に取りつかれる重役を演じるネットワーク、ロバート・デ・ニーロを相手に一歩も引かない演技を見せる告白、その他にもお勧め作品多数ですビックリマーク

 

 

 

 

 

 

 

       映画 おちゃ

 最近はお茶漬けを食べてないのだが、特別に食べたいとは思わないが、質素で美味しいことぐらいは理解している。そんなお茶漬けを理想の夫婦の例えとして描いた映画が今回紹介するお茶漬けの味。性格がまるで正反対の夫婦。夫は質素な生活を好み、妻はド派手に遊びたい放題の様子が前半では描かれる。また、妻の夫に対する不満や悪口をぶつける様子も出てくる。しかし、腹の立つこともあるはずだが、常に冷静な夫の姿に昭和の男を見る気がした。

 

 久しぶりにお茶漬けを食べたくなるストーリーの紹介を。

 茂吉(佐分利信)は地方出身で派手なことを好まない質素なサラリーマン。一方、その妻の妙子(木暮実千代)は裕福な家庭に育ち、友達と温泉や野球観戦に行ったりしている。しかし、妙子は夫の茂吉の地味さに嫌気がさしている。

 ところがある日のこと、妙子が神戸の親友の所へ遊びに行っている間に、急なことに茂吉の海外への赴任が決まってしまう。茂吉は慌てて電報で海外への異動のことを知らせようとするのだが、妙子はそのことにきづかないまま。茂吉が海外へ行く日の飛行場でも妙子は現れずにいたのだが・・・ビックリマーク

 

 俺も素朴な生活をたしなんでいる方なので茂吉の気持ちはよくわかる。こんな遊びまわっているような妙子みたいな女性が嫁さんならば、俺ならば早々に離婚しているところ。しかし、この茂吉という男は非常に冷静な男で腹を立てるところがない。普段は嫁の妙子にボロカス言われているが、そんなことに対しても腹を立てないし、嫁さんの遊び好きな生活に対しても広い度量を持っている。

 しかしだ、最後には夫婦の良さを見せつける場面は感動的。派手さは無いがお茶漬けのような味にこそ夫婦のより良い関係を感じられる。俺は常から文句ばかり並べ立てているが、それは男らしくない。これからは、茂吉のような穏やかな気持ちを持つようにしようと決心した。

 倦怠期を迎えてしまった夫婦、ド派手な生活を好んでいる夫婦等に今回はお茶漬けの味をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は小津安二郎。常に昭和の日本の家族を描いてきた世界的名監督。日本のみならず世界的名作の誉れ高い東京物語。そして笠智衆と原節子の名コンビが魅せる晩春がお勧めビックリマーク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       
 親子関係と言えば血が繋がっているものとしたもの。しかし、よく考えたら子供が自分と血が繋がっていない養子の場合もある。血が繋がっていようが、繋がっていまいが大して愛情の大きさは変わらないだろう。そんなことを考えさせてくれる映画が今回紹介する映画アフター・ウェディング。そして、貧しい慈善活動家が傲慢な金持ちに振り回されるストーリーが楽しい映画だ。

 家族とは何かを問いただすようなストーリーの紹介を。
 インドの孤児院で長年働くデンマーク人のヤコブ(マッツ・ミケルセン)だが、既に経営難でニッチもサッチもいかない状態に陥っている。このままでは孤児院は潰れざるを得なく、多くの孤児が路頭に迷うことになりそうだ。
 しかし、ある日のこと、祖国デンマークから匿名で大金の寄付のオファーがやって来る。ヤコブは、これは超ラッキーと思わず手を叩いて喜ぶ、はずが無い。
 彼は何か裏があると思いながらも、渋々インドの孤児院を離れ、デンマークのコペンハーゲンへ向かう。そこで大会社を経営するヨルゲン(ロルフ・ラッセゴード)に出会う。しかしながら、ヨルゲンはまだヤコブに寄付をすることを決めていないどころか、週末のヨルゲンの娘の結婚式に無理矢理参加させられるのだが、ヤコブは式場で有り得ない人物と再会してしまう・・・ビックリマーク

 ヤコブにとって孤児院の子供達は養子ではないが、まるで家族のような存在だ。決して血は繋がっていないが、その固い絆は映画を観ればわかる。孤児院の経営難で悩みながらも、案外ヤコブにとって孤児院の生活は彼にとっては心が安らげる場所。そんな平和な暮らしも傲慢な大金持ちのためにもろくも崩れてしまうが、次々と厄介な出来事がヤコブに降り掛ってくる展開が、観る者を決して飽きさせない。
 その厄介な出来事は決して一緒にやって来るのではなく、一つが解決したと思ったら『ハイ!次はこれ』という感じで、まるで小ネタを次から次へと出してくるような感じで、ずっと引きつけられっ放し。おまけに女の子がチョッと可愛いから、余計にひきつけられる。
 そして謎の行動を仕掛ける金持ちの親父ヨルゲンだが、傲慢な人間かと思っていたら、とんでもない悩みを抱えていたことがわかってくる。世の中、金で解決できない問題があることがわかる。

 そして、ヤコブが最後に取った選択の是非は果たして。インドに残してきた養子のような存在の孤児との会話から、人間とは人が良すぎたら、それだけ試練を与えられてしまうってことか。
 そして、演出的には登場人物達の瞳や唇を映し出す映像が多いのが特徴だ。そこにはまるで人間の心の奥底をえぐり出すような意図を感じるのだが、これが効果抜群。こういうシーンを見ると、この映画が決して生半可な気持ちで観るような生ぬるい作品では無いことがよくわかる。家族の形態って色々あるけれど、家族の絆を感じることができるアフター・ウェディングをお勧めです。

 監督はデンマーク人の女性監督スザンネ・ビア。女性ならではの視点と、逆に女性らしくない?力強いメッセージ性を感じる作風は個人的には非常に気に入っている監督。
 お勧めはかなりハードな恋愛映画で本作と同じくマッツ・ミケルセン主演のしあわせな孤独、ベニチオ・デル・トロ、ハル・バリー競演の悲しみが乾くまで、戦争でズタボロになった家族を描いたある愛の風景等がお勧めですビックリマーク












 
 

 
 

 

 


 

  
 

        映画 ネットワーク

 ただ今の日本のテレビ業界は視聴率稼ぎに追われて、つまらない番組を次々に生み出してしまっているが、その傾向はニュース報道にも表れているだろう。政治を取り扱った報道に目立つのが、非常に的外れの記者の質問や偉そうにしているコメンテーター。政治の報道番組なんかはテレビよりもインターネットから仕入れる方が役に立つ。

 そんな視聴率ばかりに頭が行ってしまったテレビ業界の狂乱ぶりを描いたのが今回紹介する映画ネットワーク。本作を観ているとますますテレビを観る気が失せてしまいそうになった。

 

 テレビ業界の世界を大いに皮肉ったストーリーの紹介を。

 大手テレビ業界のUBSのテレビキャスターとして長年君臨していたハワード(ピーター・フィンチ)だったが、視聴率の低下のために2週間後のクビを長年の友人であり、ニュース部門の責任者であるマックス(ウィリアム・ホールデン)から通告されてしまう。

 精神的ダメージを来したハワードは生放送中に自殺をほのめかし、それが瞬く間に世間に広がり、再度視聴率はうなぎのぼりになる。

 ノイローゼのお陰で言わなくても良いことをバンバン生放送中に発言してしまうハワードを利用しようとしたのが、女重役であるダイアナ(フェイ・ダナウェイ)。彼女はひたすら視聴率を広げるためにハワードを利用しまくるのだが・・・ビックリマーク

 

 ハワードのうつ状態は酷い。殆ど気が狂っているので滅茶苦茶なことを言って大衆を扇動するようなことを言った後にぶっ倒れたりしてしまう。そんなハワードを心配するのが友人のマックス。マックスは硬派な番組作りを目指していたのだが、彼はクビになってしまい、ハワードがどんどんひどくなっていくのを塞ぎ切れなくなってしまう。

 それにしても視聴率を稼ぎ出すために、とことんハワードを利用するテレビ業界の重役連中の人間性を失ってしまう様子に啞然とさせられる。

 そして、利用価値が無くなればサッサと捨ててしまう恐ろしさと皮肉。テレビ業界の血も涙もないかのような結末には驚きを通り越す。

 本作が制作された頃は、映画の人気も衰えてテレビが隆盛してきた時代。そんなテレビ業界をブラックに描いた本作は映画界によるテレビ業界への挑戦状と言えなくもない。人気キャスターの末路が描かれているが、日本でも当てはまるような気がする。

 一部メディアの暴走が目立つ日本のテレビ番組とて、決して本作の内容と無関係では済まされない。ブレーキが利かなくなったメディアの怖さを知ることができる映画ネットワークを今回はお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は社会派作品で大いに名を挙げたシドニー・ルメット。いまだに名作として誉れ高い十二人の怒れる男、核戦争の恐怖を描いた未知への飛行、過去のトラウマから逃げられない男を描いた質屋、そして軍隊を批判し、そしてアル・パチーノの名演技が見れる2作品セルピコ狼たちの午後をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 

 

 

 

 

 

      映画 ぜんm

 今回紹介する映画は善魔。この映画を最初に観た時、タイトル名の意味がわからないまま観てしまったのだが、ちなみにAIに調べさせると『行き過ぎた善意、または独善的な正義感によって、結果的に悪魔のような害を及ぼす存在』と出た。

 確かに映画の途中でこの善魔を説明するような台詞も出てくるが、実は俺には理解ができなかった。やたら三国連太郎演じる青年が怖いぐらい純真な心を持っている人物に描かれているのが印象的だったのだが、善魔の意味を調べてぞっとしたし、凄いクライマックスシーンだったことに調べてから気づいた。

 

 悪魔よりも善魔の方が恐ろしいと思えるストーリーの紹介を。

 新聞記者の三国連太郎(三国連太郎)は、上司の中沼(森雅之)から、大物官僚である北浦の妻である伊都子(淡島千景)が失踪した理由を調べるように命令される。プライバシーに立ち入ることを嫌がる三国だったが、渋々了解して調べることにする。

 実は中沼と伊都子は彼女が結婚する10年前のことだが、お互いに気になる存在だったのだが、伊都子は結局高級官僚である北浦と結婚したという過去があったのだ。

 三国は伊都子の父(笠智衆)を訪ねるとそこに伊都子の妹の三香子(桂木洋子)もおり、三香子から伊都子の親友の家を聞き出し、三香子と一緒にそこへ行くと伊都子がいた。

 三国は伊都子に家出した理由を聞き出そうとするのだが・・・ビックリマーク

 

 映画の本筋に入っていくのは、更にその後から。三国は正義感が強く、ピュアな青年であり三香子と好き同士になってからの純粋過ぎる気持ちには、正直ドン引きするぐらいだ。

 そして三国が上司の中沼を尊敬している様子もよくわかる。しかし、今まで中沼の知らない欠点を知ってから、三国が中沼に対し怒りをぶつける。中沼の欠点と言っても人間性を疑う程のもんではないし、見過ごしても良いレベルの問題。しかし、そこで善魔を発揮した三国は怒り狂い中沼のみならず伊都子に対しても悲しみを与えてしまう。

 この世の中、政治家の中には自らの魂を売り飛ばして、選挙協力のためだけに新しい政党を作り上げる悪魔みたいな議員が多々存在するのが腹立つ。しかし、余計なお節介を仕掛ける善魔の持ち主に、はた迷惑な気分を持っている人もいるだろう。正義感を振りかざして事を大袈裟にしてしまう人間も非常に厄介だと本作を観ていると思う。善魔の意味を知って本作を観ると、非常に余韻の残る映画。そして、もう気づいた人もいると思うが三国連太郎の芸名は本作の役名から取ったものです。思わず自分自身の心に問い詰めたくなる善魔を今回はお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は名匠木下恵介。小豆島を舞台に先生と生徒の交流が繰り広げられる二十四の瞳、日本映画初のカラー作品だと言われるコメディカルメン故郷に帰る、戦後の女生徒の苦しみを描いた女の園、夫婦の憎しみ合いを描いた永遠の人、そして文芸作品である野菊の如き君なりきがお勧めビックリマーク

 

 

 

 

        映画 しとやかな獣

 わが市の市議会議員の中には、偉そうなことばかり言っている割には議会中に大きないびきをかいて寝ている議員もいるのだが、本当に市民の税金を無駄にする酷い奴だ。しかも、平気で市民を騙す。

 しかし、今回紹介する映画しとやかな獣だが、そいつと同等のレベルの登場人物ばかり登場するブラックコメディ。アパートの一室にロクでもない強欲な人間ばかりが出入りして、浅ましいストーリーが繰り広げられる。

 脱税、売春、詐欺、ピンハネ等、何でもありの奴らが、何の悪びれもなく自己流を貫き通す姿に、わが市の居眠り議員と重なるところが多々ある。

 

 戦後の日本の経済成長期の時代を背景にしたストーリーの紹介を。

 元海軍の中佐である前田時造(伊藤雄之助)とその妻のよしの(山岡久乃)は、高層マンションが立ち並ぶ、エレベーターのない安い方に住んでいる。

 彼ら夫妻は息子の実(川畑愛光)とその姉にあたる友子(浜田ゆう子)に他人から金を巻き上げさせて悠々自適に暮らしている。

 実は、芸能プロダクションに勤めながらも金を横領しており、会計係の三谷(若尾文子)と肉体関係の仲になっているのだが、すっかり三谷に熱を上げてしまっている実は、金を家族以上に三谷にも金を渡していた。ところがこの三谷がとんでもない性悪な女であり、ぬけぬけと会社を辞めてホテルを開業するまでになるのだが、会社の徴税係である神谷(船越英二)が脱税の罪で逮捕されてしまい、三谷も慌てだす・・・ビックリマーク

 

 前田家の夫婦だが、彼らが子供たちに詐欺まがいのことをさせて超貧乏を装って暮らすには訳があり、戦後は非常に惨めな暮らしを強いられていたのだ。そんなことが言い訳になるか!

 時造の何食わぬ表情で決して息子の実の罪を認めない様子は笑わせる。そもそもアクドイことをしていても反省の色を見せない奴ばかりなのが、わが市の居眠り議員を思い浮かべさせる。そして、膨大な台詞が繰り広げられるが、新藤兼人の脚本が素晴らしいのか笑わせる会話劇が繰り広げられる。

 殆どの場面をマンションの一室に限定して撮影されており、カメラのアングルも真上や真下から撮られたりで非常に緻密な映像表現が見れる。

 そして、場違いに感じる小太鼓をポンポンと鳴らしながら、よ~!と掛け声をかける音楽が冒頭から流れてくるが、これが個人的にはツボだった。

 昔の映画ではあるが、ロクでもない奴らがこれだけ集まると腹が立つどころか笑えてくるし、映像表現においても今観ても非常に斬新。少しばかり凝った演出もされており飽きることがない。なかなかの快作として今回はしとやかな獣をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督は奇才川島雄三。本作を観るとこの監督の天才ぶりがわかりますね。他に幕末太陽伝洲崎パラダイス赤信号の2本を観ていますが、両方ともお勧めですビックリマーク