「イニシェリン島の精霊」 | インディペンデントで行ってみよう!

「イニシェリン島の精霊」

 

 

 

理不尽から始る係争が憎悪の応酬に発展していく

国際紛争の寓意と理解したが

正直、よくわからない映画だった。

 

右がバリー・コーガン

 

主たる出演者がほとんどオスカーにノミネート

コリン・ファレルの田舎の間抜けぶりは確かに出色の演技だったが

それ以上に感嘆したのが

やはり少し頭の弱いドミニクを演じたバリー・コーガンの演技

これは見事という他ない。

オスカーを選ぶアカデミー会員にこの演技が図抜けていることがわかるのか心配だ。

だいたい女優は娼婦、男優はアル中を演じると

オスカー取れるのでアカデミー会員なんて、本当の審美眼なんて持ち合わせていない。

 

なぜバリー・コーガンの演技が傑出しているかというと

頭が弱い人の演技で思い出すのが

「ギルバート・グレイプ」のディカプリオ

「アイ・アム・サム」のショーン・ペン

いずれも評価が高かったが(両方ともオスカーノミネート)

個人的には一つも上手いと思わなかった。

ただあざとく、わざとらしいだけで

この程度でノミネートかとあきれた。

 

でもこの映画のバリー・コーガンは違う。

経歴を見ると色々難しい役を演じている人で

本格的な役者とわかる。

アイルランドの孤絶した島で生まれ育ち

少し頭のゆるいどうしようもない若者ドミニクを見事演じ切っていた。

不自然さがどこにもなくて

どうしてこう演じられるのかとただ感嘆するばかりだった。

この上手さは異常

 

 

似たようなテーマの映画で

1973年の「ロリ・マドンナ戦争」を思い出した。