アルコール中毒だった彼
かつて在籍した職場にアルコール中毒の男がいた。
40前後で、こんなに気を遣う奴がいるのかというくらいおとなしく控えめな性格の男だった。
ただ朝から酒臭く
勤務中もふとどこかに消えるところがあって
後から聞いた話では
ワンカップを買出しに出て
それを飲んでいるという話だった。
TOKIOの山口くんがアル中を否定したように
アル中は自身のアル中を認めないそうですが
この彼も自分のアル中をけして認めなかった。
毎日、赤い顔して酒臭いのに
どうして否定するのかわからなかったが認めなかった。
私は色々調べて
アル中が根治の難しい病気と知っていかたら
病人として接したが
彼の上司は、アル中の性向を知らず
常に厳しく叱責していた。
小心な彼はそれに苦しんでいたようで
禁酒もしたが
あるときそれが度を越したのか
禁断症状で発作を起こし
勤務中、泡を吹いて卒倒
救急車を呼ぶ騒ぎになった。
このときは全身けいれん状態で
男三人がかりでからだを押さえ、舌をかまないようにタオルをあわてて口に噛ませた。
細いからだなのに尋常じゃない力の硬直だった。
その彼は
上司にうとまれた挙句
社内で一番ハードな職場に送り込まれ
その後、退職し、肝臓の病気で早世したと聞いた。
酒を飲んでの犯罪は許されるものではないですが
アル中というのは
厄介な病気で
簡単に断酒できるものではないようです。
どういうわけかやさしくて気の小さい人が多く
現実の苦しさから酒に逃げるということらしいです。
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