安心したがる人々
- 安心したがる人々/曽野 綾子
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言い得ての妙のタイトルと思い手にした。
本作は週刊ポスト等に掲載されている著者のエッセイをまとめたもの
安心したがる人々というタイトルになぜ引かれたか
私自身が
安心という病に少し取り憑かれていると感じているからである。
特に安心とは距離を置く独立事業者という身になってから
安心
言い換えると安定というものが
なんと甘美なものなのかと身にしみてわかるようになった。
安定を手放したばかりに
安定に取り憑かれたのである。
生きたい人生を生きたい。
言うはやすし
実際は容易ではない
現に私は起きるたびに自分を鼓舞する儀式を必要とする。
安定と引換の
自分らしく生きるとは
それほど簡単なことではないのである。
一方で本作に記載されているこのようなことを実感しているのもまた事実である。
誰もが苦しみに耐えて、希望に到達する。
努力に耐え、失敗に耐え、屈辱に耐えてこそ
目標に到達できるのだ、と教えられた。
誰も苦しみになど耐えたくない。
順調に日々を送りたい。
しかし人生というものは、決してそうはいかないものなのだ。
さらに皮肉なことに
人生で避けたい苦しみの中にこそ
その人間を育てる要素もある。
人間を創るのは幸福でもあるが、不幸でもあるのだ。