サステナビリティ(持続可能性)が問われる時代
景況の悪化による業績低迷で
来期はいっそう企業のサステナビリティ(持続可能性)が問われる時代となるだろう。
おそらく狭義では、収益とネットキャッシュにフォーカスした
文字通りの持続可能性が問われるのだろうが
サステナビリティは経営、財務の維持だけを問うものではない。
環境保全や雇用の確保といった社会的責任の履行も求めるものだ。
この視点に立ったとき
厚い内部留保を持つ企業の経営者が
業績悪化を前にして
人員削減を最初に行うというのはどういう見識なのか
こういう企業に限って
CSR(社会的責任の履行)を経営理念に謳っていたりするが
あれは聞こえのいい単なる標語なのか。
確かに収益の見通しが厳しくなれば
人件費に手をつけたい気持ちはわかる。
株主からの責任追及も厳しいだろう。
しかしサステナビリティという視点からすれば
そうした行為は持続可能性を損なうものである。
コスト抑制で人件費削減から着手した企業の名前を多くの人は胸に刻むだろう。
あの会社は苦しくなったら、真っ先に人を切った会社である。
経営者が経営責任を棚上げし、法外な年俸を得ながら
社員の解雇から手をつけた会社である。
それが合理的経営とでも言うかのように人をモノのように扱った会社であると。
これは長期的視点に立つと
企業のサステナビリティを著しく毀損する。
直接的に収益に反映はされないが
企業に対する信認を傷つける。
平たく言えばブランド価値を損なう。
目先の利を追う強欲な資本主義が、現在の経済危機を招来した。
その事実を思いやれば
人員削減を最初に行う経営は、その目先の利を追う姿勢と大差はない。
真に長期的視点に立つ持続可能性を考えるのであれば
雇用の確保という企業の基本的な社会的責任を履行することが
真の意味でのサステナビリティなのではないか
