「藪」の中 | インディペンデントで行ってみよう!

「藪」の中



tajyoumaru



退職した勤務先の最終日

ささやかながら送別会の場が設けられた。

在籍期間が短いこともあって、そうした宴席は固辞し続けたのだが

あまり断るのもおかしいかと受けた催しである。



その場でいささかショックな話を耳にした。

今回私が退職することとなった顛末の張本人で

私は人格者と思い、その旨を伝え

また私のことも高く評価する風の発言をしてくれていた人が

実は私を自分の目的のために利用していたことを知った。

事実はまだ確認していないが

話を聞いて思い当たる節はあった。

これを聞いて私はその人のことを憤るより

自分の不明、甘さが情けなくなった。

この年になって、また人の判断を見誤ったのだろうか

正直私は人を信用しやすいところがある。

自分が人を貶めてまで

自分の目的を達成しようという考えがないので

他者も同様と考えるが

世の中そういう人間ばかりではない。

見るからに善良そうで誠実に聞こえる巧言を並べる人がいる。

私は間抜けだから

そういう人にコロッとだまされ

実はその人が陰では全然別の動きをしていたと知るのは今回がはじめてではない。

この辺が甘いのかなと思う。

しかしこういうたびにこうも思う。

善良ぶるわけではないが

人をだますより、まだだまされる方がましだなと



実はこの人と近く会うことを約している。

事実を知る前に約したもので

今さら問い質す気もないのだが

どういう時間を送ればいいのかわからなくなった。

自分が人物とみなした人が実は違うのか

それともまた外野の無責任な言なのだろうか

人は立場によって同じ事実を違うように解釈し伝える。

真実がどこにあるかはわからない。

それは人の心理の「藪」の中というしかない。





rasyoumon