制約条件下の仕事
人気バンドの主要メンバーがソロアルバムを製作することがある。
バンドの音楽性との相違で行われる場合が多い。
しかし完成度においてバンドの水準を超えることはあまりない。
人は自由な環境下での仕事を熱望する。
制約さえなければ、もっと質的に高い水準のものを製作可能と考える。
しかし自由な環境を手に入れてようやく好きなように製作したアルバムが
バンドの水準を下回るとはどういうことか
人は自由を手に入れたからといって、いい仕事、高品質のアウトプットができるとは
限らない証左である。
歴史的な美術品を見ても
製作条件に制約が多かった方が、高い水準のものが多い。
人は制約があるとき、その限られた条件下での最高の仕事を目指すのだろう。
結果として自由なときより高い水準のものが製作される。
自由に手を動かせるからといって、いい仕事ができるとは限らないのである。
バンドのソロアルバムもそうである。
自由に我を主張されると辟易する場合が多い。
むしろ他のメンバーに遠慮しながら
我や嗜好を抑制したときに
高い水準の製作物が生まれる。
適度の抑制がメンバーの音楽性の調和を生み
結果として受け入れやすいものになる。
例外はあるが、だいたいそういうことになっている。
仕事はすべからくそうである。
制約に不満を持つより
制約下でのベストプラクティスを考えるのがいい仕事の条件の一つである。