転職理由の説明が難しい。 | インディペンデントで行ってみよう!

転職理由の説明が難しい。


面接では転職理由を必ず聞かれます。


ここをうまく答えないと、致命的な失点になります。


転職理由は正直に答えればいいというものではありません。


理由が文字通りキャリア形成とか前向きなものであればともかく、


背景に多少後ろ向きな事情があると説明が難しくなります。


日本ではまだ転職を肯定的にとらえる見方は定着していません。


終身雇用が前提ですから、転職経験がない方からすると


転職には何かしら問題があるというどこか否定的な見方が必ずあります。


その予見に沿った回答をすれば当然評価は低くなります。


たとえば私の直近2社の転職理由は


あきれるほど低レベルの同族経営

粉飾決算を許容した経営者としての資質


というものですが


これを正直に理由として説明しても理解は得られません。


私としては短期間で退職に至った理由としてこうした本音ベースの方が


理解を得られやすいと考えるのですが


それは私の独りよがりな考えであって


聞く方はやはりそう受け取りません。


理由はどうであれ辞めた会社の悪口を言う人間という評価になります。


どんなにもっともな理由であっても同意は得られないのです。


日本では悪しき認識として


騙した人間も悪いが、騙された人間にも落ち度があるという見方があります。


これは日本特有の考え方と言われています。


欧米では人間心理の弱みにつけこんで騙す人間が全面的に悪いとみなされるようですが


日本ではそういうことはありません。


入社前のわずか数回しかも外交用の人格の面接で


経営者の本質的人格を見抜くことなど不可能です。


しかしそれを言っても始まりません。


同様の経験をしたことがある人ならともかく


転職経験もない人に転職の難しさなど到底理解できないのです。


人は自分が聞きたい説明を受け入れます。


否定的な見方をせざるをえない「真実」など聞きたくないのです。


ですから転職の理由としてはもっともな事情があっても


それは控えて、キャリア形成とか専門能力を生かしたいといったわかりやすい理由にすべきです。


私の年で今さらキャリア形成もなく


自分で口にして白々しいと思うこともありますが


聞きたい理由で説明する方がやはり賢明なのです。



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