オールジャパンで挑む夢の新薬 特殊ペプチド実用化で売上目標4兆円 | 50代のおっさんのブログ

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産経WESTさんの記事より。

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オールジャパンで挑む夢の新薬 特殊ペプチド実用化で売上目標4兆円

 

 次世代の医薬品として世界が注目する「特殊ペプチド医薬品」の実用化を目指して、製造工場の着工が6月、大阪で始まる。安定供給できる製造技術を確立し、世界の追随を許さない日本発の新産業を興そうと、日本の企業10数社が技術と資金を出し合った。オールジャパンの技術と知力を集めて目指す、夢の新薬への第一歩を踏み出した。(安田奈緒美)

 国の基幹産業に

 「10年後、20年後には、この国の基幹産業に位置づけられるようにしたい」

 5月28日、特殊ペプチド医薬品の原薬を製造販売する「ペプチスター」(大阪府摂津市)の本社工場の地鎮祭が開かれた。記念式典でこう意気込んだのは、窪田規一社長だ。

 「特殊ペプチド医薬品の市場を作っていくために製造工場は不可欠。世界に冠たる受託製造工場にする」と話す。将来の市場規模を50兆円と試算し、「そのうちの原薬市場の8割、4兆円の売上高を目指している」とも語った。

 特殊ペプチド医薬品とは聞き慣れないが、「中分子医薬品」とも称される。これまで創薬の中心だった錠剤などの「低分子医薬品」より副作用が少ない一方、効果が高いがコストも高い「高分子」の「抗体医薬品」に比べて安価に製造できるとされる。ちなみに、がんの免疫治療薬「オプジーボ」は抗体医薬品のひとつだ。

 

 ペプチスターは昨年9月、特殊ペプチドの合成技術の特許を持つ東大発ベンチャー「ペプチドリーム」と、塩野義製薬、積水化学工業が出資して設立した合弁会社だ。本社工場の着工は6月20日に始まる予定で、来年9月の稼働を目指す。

 ペプチスターに出資するペプチドリームは、特殊ペプチド生産に関する特許技術を持つ。天然由来のアミノ酸に特殊なアミノ酸を人工的に組み込み、さらに強固な環状構造を持たせた特殊環状ペプチドを多様に発生させることができる。この技術を用いて作られる医薬品は抗体医薬品並みの働きをもちながら、製造コストも低く抑えられることも期待される。

 国内外の製薬会社がこぞってペプチドリームと提携し、その技術を用いて新薬開発を急いでいる。ただ、特殊ペプチド医薬品の実用化はまだで、その将来性に不透明なものがあるのも確か。それでも、世界はその革新性へ大いに期待する。ペプチドリームと技術提携している塩野義の手代木(てしろぎ)功社長も「低分子と高分子医薬の良い点を兼ね備えた薬が実現すると信じている。ここ、大阪の摂津から世界に原薬を輸出できるようにしていきたい」と力を込めた。

 

新技術が誕生

 実用化には、特殊ペプチドを大量製産できる技術の確立が欠かせないが、ペプチスターは、その開発に成功したという。

 「50年来続いたペプチドの合成技術を完全に入れ替えるような技術。たとえば、これまで馬車で走っていたのが、急に宇宙旅行に行くような変わり方。あとはこの工場で使うだけ」

 自信を持って語るのはペプチスターの研究開発担当執行役員の舛屋圭一氏だ。論文発表を控えており、詳しい技術内容は明かしていないが、「他国がまねできない圧倒的な優位性をもっている」と強調した。

 これまで日本では、大きな技術革新が起きても、すぐに中国など他国にまねされ、競争力を失うことが繰り返されてきた。だが今回は特種ペプチド大量生産の特許を取得し「世界の誰もが追いつけないようなビジネスを確立する」(窪田社長)という。

 

 協業の効果も

 ペプチスターの事業は、原材料調達から技術開発、製造販売までを全て国内企業で担うオールジャパン体制で行う。これらの企業十数社が今春までにペプチスターに出資。さらに産業革新機構や三菱商事も加わってこれまで計約200億円の資金を調達している。

 

 オールジャパンにこだわるのには、これまで国内で生まれた技術を国内で実用化できなかったことに対する反省がある。現在、世界の製薬市場を席巻する「抗体医薬品」の開発でも日本は後塵(こうじん)を拝してきた。オプジーボも、研究は日本発だったにも関わらず、製品化に至るときに海外の技術に頼らざるを得なかった。

 窪田社長は「日本は医薬品で2・5兆円の輸入超過。それを逆転させるためにもオールジャパンで取り組む必要がある」と話す。出資企業のひとつ、浜理薬品工業の高美時郎社長も「理念に賛同した。非常におもしろい挑戦だ」と同調する。

 協業の効果も期待できる。大塚化学の亀山豊取締役は「もともと日本はペプチド合成技術にたけているが、各社が持ち寄った技術を高めるチャンス。グローバルでの競争力もつけることもできる」と話す。

 また、広島市に本社のある渡辺化学工業の渡辺路維社長はペプチスターに参加したことの、思わぬ効果に驚く。「人手不足のご時世にもかかわらず、採用のさいに『ペプチスター』に参加していることに興味を持って面接にきてくれる学生が出てきている」と話す。学生の間での注目度も増しているのだ。

 次世代の医薬品はどうなるのか。まだ見ぬ新薬が、日本から生まれるかもしれない。ペプチスターに、日本の企業や科学者たちが夢を託している。

 

元記事のURL

https://www.sankei.com/west/news/180611/wst1806110003-n1.html

https://www.sankei.com/west/news/180611/wst1806110003-n2.html

http://www.sankei.com/west/news/180611/wst1806110003-n3.html

http://www.sankei.com/west/news/180611/wst1806110003-n4.html

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日本は地道な研究は得意としながらも、様々な規制が多いためか、その技術などを生かした製品開発などでは、外国の後塵を拝することが多いように思います。

これまでの産業などの衰退が進む中、新たな基幹産業の構築・育成が望まれます。

ぜひこの特殊ペプチドが日本の新たな基幹産業となることを期待しております。