「すごくいい方なんです。でも、男性として好きになれるかというと……」
結婚相談所で婚活のサポートをしていると、女性からこうした言葉を聞くことがあります。
お相手の男性は誠実で、仕事にも真面目に取り組み、会話も丁寧。女性に失礼なことをしたわけでもなく、結婚相手として大きな問題があるようには見えません。
それなのに、なぜか交際が続かない。
お見合いでは好印象だったはずなのに、初回デートや2回目のデートで交際終了になってしまう。
男性からすれば、「悪いことは何もしていないのに、何が足りないのだろう?」と戸惑ってしまいますよね。
実は、ここに婚活の難しさがあります。
「いい人だと思われること」と「もう一度会いたいと思われること」は、必ずしも同じではないのです。
■ 嫌われないことを優先しすぎていませんか?
特に真面目で誠実な男性ほど、女性に嫌われないよう慎重になる傾向があります。
失礼なことを言わない。相手の意見を尊重する。自分の考えを押し付けない。女性の希望をできるだけ優先する。
どれも素晴らしい心がけです。
ただ、一つだけ見落としていることがあります。
それは、「相手を不快にさせないこと」と「相手の心を動かすこと」は別だということです。
例えば、女性から「今日は何を食べたいですか?」と聞かれたとき。
「何でも大丈夫ですよ。お任せします」
この答えは一見優しいようですが、実は女性に判断を委ねていることにもなります。
もちろん、女性の希望を聞くことは大切です。
しかし、毎回「何でもいいですよ」「どちらでも大丈夫です」という返答ばかりでは、女性も困ってしまいます。
「私ばかり決めている気がする」
「この人は本当に楽しんでいるのかな?」
そんな小さな疑問が積み重なってしまうこともあります。
例えば、
「私はイタリアンが好きなんですが、〇〇さんはいかがですか?」
「気になっているお店があるので、よかったら一緒に行きませんか?」
このように、自分の希望を伝えながら相手の意見も尊重できると、印象は変わります。
女性が求めているのは、何でも言うことを聞いてくれる男性とは限りません。
一緒に考え、一緒に決め、一緒に楽しめる男性。
結婚生活を想像したときにも、そうした対等な関係を築けることは大きな安心感につながります。
■ 丁寧な会話だけでは、距離が縮まらないことも
もう一つ、婚活でよく見られるのが、会話は成立しているのに、お互いの距離がなかなか縮まらないケースです。
仕事のこと、休日の過ごし方、趣味、好きな食べ物。
話題は途切れず、会話もそれなりに盛り上がっている。
それでも女性からは、
「お話ししやすい方でしたが、もう一度会いたいという気持ちにはなれませんでした」
というお返事が届くことがあります。
その理由の一つとして考えられるのが、会話が情報交換だけで終わってしまっていることです。
例えば、女性が「旅行が好きなんです」と話したとき。
「そうなんですね。どこに行かれたんですか?」
もちろん、悪い質問ではありません。
ただ、質問と回答を繰り返すだけでは、お互いの人柄や感情が伝わりにくいこともあります。
「旅行がお好きなんですね。私も自然の多い場所が好きなので、旅先では景色を眺めながらのんびりする時間が楽しみなんです」
このように自分の話も少し加えると、共通点が見つかったり、新しい話題が広がったりします。
会話は、相手から情報を引き出すためだけのものではありません。
お互いの価値観や感じ方を知り、少しずつ親しみを深めていくためのものです。
質問上手であることに加えて、自分自身を知ってもらうことも大切なのです。
■ 好意は、言葉にしなければ伝わらない
真面目な男性ほど、好意を言葉にすることを恥ずかしがる方もいらっしゃいます。
「楽しかったです」
もちろん、この一言も悪くありません。
でも、
「〇〇さんと話していると、時間があっという間ですね」
「今日お会いできて嬉しかったです」
「またぜひお話ししたいです」
このように伝えられたら、女性はどう感じるでしょうか。
自分と過ごす時間を喜んでくれている。
また会いたいと思ってくれている。
そんな気持ちが伝わることで、女性も安心して次のデートを考えやすくなります。
婚活では、お互いに相手の気持ちがわからず、不安になることも少なくありません。
だからこそ、素直な好意の表現は、二人の距離を縮めるきっかけになります。
ただし、最初から大げさな愛情表現をする必要はありません。
まだお互いをよく知らない段階で、気持ちを強く伝えすぎると、かえって相手が戸惑ってしまうこともあります。
大切なのは、関係の進展に合わせて、自然な言葉で気持ちを伝えること。
小さな一言の積み重ねが、安心感や親しみにつながっていくのです。
■ 「いい人」で終わらない男性が持っているもの
女性が「また会いたい」と感じる理由は、外見や年収、会話の上手さだけではありません。
一緒にいて楽しい。自分の話を理解してくれる。自然体で過ごせる。
そして何より、相手が自分との時間を楽しんでくれていると感じられることも大切です。
例えば、デート中に女性が話したことを覚えていて、次に会ったときに話題にしてくれる。
女性の好きなものに興味を持ち、自分からも新しい提案をしてくれる。
ちょっとした冗談を交えながら、一緒に笑える時間をつくってくれる。
こうした何気ない行動から、その人らしい魅力が伝わります。
反対に、どれほど条件が整っていても、相手に合わせることばかり考えて自分の気持ちを見せなければ、女性はその男性がどんな人なのか、なかなか理解できません。
結婚は、条件の合う人を探すだけでなく、これからの人生を一緒に歩んでいく相手を見つけることです。
だからこそ、遠慮しすぎず、自分らしさを少しずつ伝えていくことが大切なのだと思います。
■ 婚活では「選ばれること」だけを考えない
そして、これは女性にも同じことが言えます。
相手にどう評価されるかばかり考えて、自分の感情を隠してしまうと、せっかくの魅力が伝わりません。
「嬉しい」「楽しい」「また会いたい」
こうした素直な気持ちは、相手にとっても安心できるメッセージになります。
婚活をしていると、どうしても「相手から選ばれるにはどうしたらいいのか」と考えがちです。
しかし、本来の婚活は、一方的に選ばれるための活動ではありません。
お互いを知り、お互いに惹かれ合い、一緒に人生を歩んでいきたいと思える関係を築いていくものです。
無理に相手の理想に合わせたり、本当の自分を隠したりする必要はありません。
大切なのは、相手への思いやりを持ちながら、自分の考えや感情も自然に伝えていくことです。
■ 最後に
私が婚活で大切にしてほしいのは、完璧な自分を見せることではありません。
自分らしさを少しずつ相手に伝えながら、二人で心地よい関係を育てていくことです。
「いい人なのに、なぜか交際が続かない」
そんな経験がある方も、ご自身の魅力が足りないと考える必要はありません。
もしかすると、その魅力がお相手に十分伝わっていないだけかもしれません。
いい人で終わるのではなく、「この人と一緒にいたい」と思ってもらえる人へ。
その違いは、特別な恋愛テクニックではなく、ほんの少し勇気を出して、自分の気持ちを伝えられるかどうかなのだと思います。
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