そして、どこからともなく、
私を呼ぶ祖父の声が聞こえてきたのだ✩.*
↓①はこちら
呼ばれた方向に、歩みをすすめた。
居間から廊下に出て、横を向いたら、
少し離れた部屋の飛びの前に――
昔よく見ていた、
満面の笑みを浮かべている祖父が座っていた。
私は瞬間的に、これが
祖父と会える最期なのだと思った。
祖父が満面の笑みなら、
私も満面の笑みをしようと思った。
これが最期なら。
私は祖父の前に座って、話し始めた。
⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·
祖父は、
小さい頃に耳が全く聞こえなくなってしまった。
でも家では、手話をして会話をする光景はあまり見なかった。
それは、うちの祖父は手話を使われる事が好きではなかったからだ。
きっとそれは、
「障害を持ってる」と人から思われるのが嫌だったのではないかと思う。
なぜなら、私もそうだから。
祖父の認知症が進み、お世話するようになってから
私だと認識してもらいたいがために、
片手で数えられるほどの手話を覚えた。
だからなのだろうか。
夢の中の祖父と話すとき、
なぜか私は手話で その 言葉を表した。
それは短いが、深い意味の言葉。
『好き』
この2文字は、私が祖父に対して
伝えた気持ちだった。
たぶんこれは、私の中の
後悔を詰め込んだ言葉だったのだろう。
そして祖父もまた、手話で
『おじいちゃんも好きだよ』って返してくれた。
その後も、
祖父は手話で色々話してくれたが、
私にはその意味を読み取ることは
出来なかった😌∗*゚
しばらくして、
遠くから母の声が聞こえてきた。
私は”もう行かなきゃ”と思い、立ち上がった。
そして祖父に、最後の質問をした。
また次回に ✩.*˚
そのままのあなたでいいんだよ。
あなたがいつも笑っていられますように🪽

